超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第五十二話 断罪王Z 対 断罪王B〈ブラスト〉!いい歳したアルバイトをバカにする専業主婦は白飯に消しカスでもぶっかけて食ってろ!
第五十二話 断罪王Z 対 断罪王B〈ブラスト〉!いい歳したアルバイトをバカにする専業主婦は白飯に消しカスでもぶっかけて食ってろ!
各地で発生する断罪王同士の戦い。
そしてここでも、銀色のボディが特徴的な断罪王Zと朱色のボディが特徴的な断罪王A〈アビス〉の熱い死闘が繰り広げられていた。
「暴力!暴力!暴力!暴力!暴力ッ!」
断罪王Zの拳が断罪王A〈アビス〉の頭部に何度も直撃する。
頭部に強い衝撃を何度も喰らった断罪王A〈アビス〉が市街地に仰向けに倒れる。
「なぁ、知ってるか?」
断罪王A〈アビス〉が立ち上がりながら話かけてくる。
「断罪王の操縦者に選ばれるのは二十六人は皆、社会不適合者らしい...俺はキレるとすぐに手が出ちまうからよ...人間関係も仕事も長続きしなくてよ...それでもこの世界でただ一人の神様になれたら人生うまくいくんじゃねぇかと思ってよ...」
「俺は...腹が減るとご飯が食べたくなるのと同じで、人々に暴力を振っているだけだ!そして暴力を振っている瞬間が最高に気持ちいい」
「そうか...お前は俺と違って自分の暴力が好きなんだな...俺はある意味、お前がうらやましいよ。俺は暴力が嫌いだ、暴力のせいで俺の人生は全部台無しになっちまったからな」
「おしゃべりはここまでだ!ここからは拳で語り合おうぜ!」
断罪王Zが断罪王A〈アビス〉に殴り掛かる。
断罪王A〈アビス〉が断罪王Zを抱きしめる。
「き、貴様何のつもりだ!」
「知ってるか?アビスって言葉の意味にはな!深淵以外にもう一つ意味があることを!」
断罪王Zと断罪王Zを抱きしめる断罪王A〈アビス〉の全身が炎に包まれる。
「そう、アビスには地獄って意味もあるんだぜ!どうせ勝ち目がないのなら、せめて、お前みたいな生まれながらのモンスターは俺と道連れにしてやるよ!そうすれば力を持たない人々をお前の大好きな暴力から救うことができる!」
「あ、熱い!うあああああああッ!」
「さぁ!地獄の炎を味わいなァァァァァァァァァッ!」
断罪王Zの片手が断罪王A〈アビス〉の胸をつらぬく。
断罪王Z片手には断罪王A〈アビス〉の心臓が握られていた。
断罪王Zと断罪王A〈アビス〉の全身を包んでいた炎が消えていく。
市街地に断罪王Zが放り投げた断罪王A〈アビス〉の巨大な心臓が落下する。
「断罪王A〈アビス〉の操縦者よぉ...お前が俺を殺したところで、お前は所詮自分の暴力も愛せないただのクズだ!お前は!自分を悩ませる暴力衝動を否定せず、受け入れるべきだった!だが一番の原因は暴力を好む人々を社会から排除しようとするこの世界なんだ!」
断罪王A〈アビス〉が光の粒子になって消えていく。
空腹感を感じた断罪王Zの変神も解ける。
「腹が減ると変神が解けるのか...!」
暴田リキは断罪王Zと断罪王A〈アビス〉の戦闘で瓦礫の山と化した市街地を歩き続ける。
次の日。
俺は食品工場で日雇いのバイトをしていた。
断罪王に変神して戦うにもエネルギーが必要であるということがわかったからだ。
工場内で作業服に身を包んだ美少女が工場長に怒られている。
「おい、お前!どうしてこんな簡単なこともできねぇんだ!バカ野郎!」
作業自体は単純で特に難しいことはないはずだが。
周りの作業員に迷惑がかかると思ったのか、工場長は美少女の制服の袖を掴んで工場の外に出てしまった。
外から工場長の怒鳴り声が作業場にまで聞こえてくる。
「はっきり言って迷惑だからもう家に帰れ!この役立たずのバカがッ!」
そして次の瞬間、大きな爆発音が聞こえた。
何事かと、大勢の作業員が作業を中断して、外に出る。
外には工場長と思われる肉片がバラバラになってそこら中に散乱していた。
そして、作業着に身を包んだ美少女はなにも見ていないかのように平気な顔をして工場内に戻る。
「おい!工場長をバラバラにしたの、おまえだろ?」
俺は作業着に身を包んだ美少女の肩を掴んで問いかける。
「ハァ?どうやったら私にそんなことできんのさ?」
作業着を着た美少女の名札には発山ナギサと書かれていた。
「ナギサ、お前、断罪王なんだろ?」
ナギサが驚いたような顔を一瞬した後で薄ら笑いを浮かべる。
「へぇ~あんたも断罪王なんだ、探す手間が省けたよ」
次の瞬間、俺の拳がナギサの頬に直撃していた。
ナギサの体が回転しながら約二メートル程、吹っ飛んだ。
「別に、わざわざ変神しなきゃいけないってルールはねぇはずだ!俺は終末を司る断罪王!断罪王Zだァッ!」
俺は走ってナギサに馬乗りになると、ナギサの顔を何度も殴る。
「お前!さっきどうやって工場長を爆破したんだ!答えろぉぉぉぉッ!」
ナギサの顔面を殴りながら問いかける。
「そ、そっか、殴られながらじゃ、しゃべれないよな...暴力を...我慢...しなくちゃ...!」
「私は...爆発を...司る...断罪王...B〈ブラスト〉」
次の瞬間、俺の視界に閃光が走る。
攻撃の意図を瞬時に察知した俺は首を横に向けて、閃光を避ける。
そして俺の背後で大きな爆発が起きる。
「なるほど、変神しなくても視線を向けたものを爆破できる、それがお前の能力の正体なのか...暴力を再開させるぞ」
俺はナギサの顔面を殴るのを再開させる。
「暴力!暴力!暴力!暴力!大好きッ!暴力ッ!」
顔面青あざらだけのナギサの口が三回動く。
「シ...ン...ゴ...!」
「しまった!なら俺も!シンゴォォォォォォォォーッ!」
俺とナギサの衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆い、全身が巨大化する。
日雇いバイトの食品工場に二体の巨大人型機動兵器、銀色のボディが特徴的な断罪王Zと深緑色のボディが特徴的な断罪王B〈ブラスト〉が向かう合う。
「爆発を司る断罪王!断罪王B〈ブラスト〉の力を味わいなさい!」
断罪王B〈ブラスト〉の両目が光る。
断罪王Zの全身に爆撃が直撃する。
「断罪王に変神してしまえばこっちのもんよ!」
全身に爆撃を受ける断罪王Z、そして食品工場や周りの市街地も爆発する。
「アハハハハハハッ!私より顔と頭がよくて幸せそうなやつらなんか、みんな爆発してしまえばいいのよ!」
「うあああああッ!お前!どうしてこんなひどいことを!」
「都合のいい時だけ善人面してんじゃないわよ!この暴力愛好家が!それにメシアに断罪王の操縦者に選ばれた時点であんたも所詮私と同じ社会不適合者なのよ!あんたに私に偉そうに説教する資格なんてないのよ!」
周りの市街地が罪なき人々の悲鳴と共に爆炎に包まれる。
「アハッハハッ!みんな爆発してしまえぇぇぇぇッ!」
「お前...爆破を楽しんでるだろ?」
「そうよ、あんたが暴力が好きなのと同じよ!」
断罪王B〈ブラスト〉の目が光る、断罪王Zの全身を爆撃が襲う。
「うあああああッ!俺は...お前とは違う!お前はメシアに与えられた断罪王B〈ブラスト〉の力を自分の力と勘違いしているだけだ!俺は、断罪王の操縦者になる前から他人に暴力を振るうのが大好きだった!でも俺の暴力が弱ければ、弱いほど、俺がケンカで死ぬ確率も上がる!だから、俺は努力した!大好きな暴力をもっと好きになれるように!大好きな暴力でもっと気持ちよくなれるように!」
「それがどうしたァァァァァァァッ!」
銀色のボディが特徴的な断罪王Zの全身が爆撃で真っ黒になる。
「これだけの爆撃を受けながら、まだバラバラにならないなんて...」
「お前は他者から与えられた力を自分の力と勘違いしてるだけのバカだ!」
真っ黒焦げになった断罪王Zが断罪王B〈ブラスト〉に近づいてくる。
「く、来るなァァッ!」
断罪王Zの全身に爆撃が直撃する。
「俺はお前と暴力で語りあいたいんだよ!」
「な、なぜ死なない!こっちに...こっちに来るなァァァァァァッ!」
なぜ、断罪王Zが死なないのか?
それは断罪王Zの操縦者、暴田リキの暴力に対する愛と執念が断罪王Zの生命力を急激に上昇させているからからだ。
「俺の魂が暴力を愛する限り、お前に俺は倒せない」
断罪王Zの右手が断罪王B〈ブラスト〉の顔を掴み、胴体から離す。
断罪王B〈ブラスト〉の首の断面から放たれる大量の血のシャワーが市街地を包む爆炎を消火していく。
消火が終ると、断罪王B〈ブラスト〉の首と胴体が光に包まれて消える。
瓦礫の山と化したバイト先の食品工場。
俺は日雇いバイトの給料ももらえないまま、自宅に向かって歩き続ける。
次回予告 第五十三話 断罪王Z 対 断罪王C〈カオス〉!いい歳したフリーターをバカにする専業主婦はぬか床に漬けた自転車のサドルでも食ってろ!
後書き
次回もお楽しみに
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