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ハッピークローバー

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第三十二話 泳いだ後でその十七

「私今はじめて聞きましたし」
「他の国の人のこともなの」
「それで日本人のことも」
「言えないの」
「それに大きくなくても」
 かな恵は自分の考えも述べた。
「いいですよね」
「別に構わないっていうの」
「そうじゃないですか?」
 こう言うのだった。
「別に」
「大きさは関係ないの」
「男の人の自慢になるらしいですが」
 それでもというのだ。
「小さくても大きくても」
「いいの」
「私にとっては」
「そうなのかしら」
「ええ、別に」
「そうしたものね」
「はい、しかし今日先輩のお話勉強になりました」
 このことは素直に思った。
「ロシアの人のは大きくてコンドームも国によって品質の違いがあって」
「それで日本のものはいいのよ」
「そうなんですね」
「一口にコンドームと言っても」
 それでもというのだ。
「それぞれでね」
「違うんですね」
「国によってもね」
「そうしたものなんですね」
「どんなものでもね」
「国によって違うんですね」
「大きさや品質がね。この学校にいたら」
 八条学園ならというのだ。
「世界中から人が集まるから尚更ね」
「そうしたことがわかるんですね」
「お金だって違うし」
「通貨ですか」
「コインの形も紙幣のデザインも」
 違っていてというのだ。
「違うしね」
「何でも違うんですね」
「そうよ」
 コンドームに限らずというのだ。
「そうなのよ」
「そうなんですね」
「国が違うとね」
「本当に変わりますね」
「民族でも文化でも文明でも宗教でもね」
「本当に変わりますね」
「それで生きてるから」
 それぞれというのだ。
「覚えておいてね」
「わかりました」
 かな恵は頷いて応えた、そうして部活をしていった。コンドームのことから思わぬことを学んだと思いつつ。


第三十二話   完


                   2022・4・1 
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