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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百二十五話 丈、学問をするのことその九

 馬岱は馬で先陣を進みながらだ。明るくこう言うのだった。
「やっぱり先頭っていいよね」
「ああ、そうだな」
「気持ちがいいものだな」
 テリーとロックがその馬岱に応える。二人は徒歩で彼女の傍にいる。
「戦いもとりあえず終わったしな」
「それも何よりだ」
「そうだね。赤壁では勝ったから」
 それは馬岱もよしとする。
 だが、だ。まだ戦いがあることについてはだ。彼女はこう言うのだった。
「けれどね」
「ああ、まだ奴等はいるからな」
「決着は次だな」
「それが問題よね」
 馬岱もここでは真剣な顔になる。
「一体何処にいるのかしら」
「これまで色々仕掛けてくれたがな」
「それを虱潰しにしてきたけれどな」
「今度は何処かしら」
 馬岱は首を捻りながら話す。
「何処に出て来るのかしら」
「さてな。連中だからまた碌でもないことしてくるだろうがな」
「わかるのはそれだけだな」
 それ以上はというと。
「何時何処で仕掛けてくるか」
「それがわからないってのはな」
「困るよね」
「まああれこれ考えても仕方ないけれどな」
 ここでこうも言うテリーだった。
「とりあえずは都に帰るか」
「うん、それで何か美味しいもの食べよう」
「料理なら任せろ」
 ロックが微笑んで馬岱に話す。
「美味いものをたっぷりと御馳走してやるからな」
「そういえばロックってお料理美味いよね」
「意外か?」
「ちょっとね」
 微笑みだ。その通りだと答える馬岱だった。
「けれど食べてみるとね」
「いいんだな」
「いつもそうしてテリーに作ってたんだ」
「テリーは料理できないからな」
 こうだ。彼が知っているテリーよりずっと若い彼を見て言うのだった。
「だから俺がこうしてな」
「成程。それでなんだよ」
「そうさ。じゃあ都に帰ったら、いや」
「いや?」
「今日の昼にでもどうだ?」
 早速だった。それでどうかというのだ。
「ハンバーガーとかそういうものになるけれどな」
「あっ、ハンバーガーね」
「あんたあれ好きだろ」
「うん、美味しいよね」
 明るい笑顔で応える馬岱だった。
「あれもね」
「あれは癖になるんだよ」
 テリーも笑顔でハンバーガーについて話す。
「ファーストフードってやつはな」
「何か食べ過ぎたら駄目なんだって?」
「中に入れる素材によるな」
 それについてはこう述べるロックだった。
「そりゃ身体に悪いもの入れたら駄目だろ」
「けれどそこを変えれば」
「ファーストフードでもいいんだよ」
「成程ね。そういうものなのね」
「チャイナだとあれだろ」
 ロックは馬岱の国のことをここで話した。
「医食同源って言うよな」
「うん、食べることはお薬を飲むことと同じだよ」
「それだよ。食べるからには身体にいいものじゃないとな」
「健康に悪いよね」
「それに満足に戦えないしな」
 笑ってこうも言うロックだった。
「だからちゃんとしたもの作るからな」
「うん、楽しみにしてるね」
「期待しててくれ。それじゃあな」
「うん、じゃあね」
 こうして馬岱は昼食をロックに作ってもらうことになった。そしてだ。
 テリーはだ。ふとこんなことを言った。
「しかし。まああれだな」
「あれって?」
「ああ。俺達がこっちの世界に来た理由な」
 首を少し捻りながらだ。馬岱に応えるのだった。
「それはこっちの世界でもあの連中と戦うことだったんだな」
「オロチとかアンブロジアとか?」
「それで誰に呼ばれたかっていうとな」
 テリーが考えていくとだ。ここでだ。
 ロックがだ。少し嫌そうな顔になって述べた。
「あの人達だな」
「それしかないな。信じたくないがな」
「ああ、あの人達ね」
 馬岱も少し嫌そうな顔になって言った。
「あの人達ならできるわよね」
「ああ、それも軽くな」
「できない筈がないな」
 テリーとロックは同時に言った。
「あれだけ異常な能力持ってるからな」
「時空を操る位はな」
 できるというのだ。
「おそらく俺達も呼んでこの世界の崩壊を防ぐ」
「そうした考えだったんだろうな」
「そうよね。やっぱりね」
 馬岱は今度は考える顔になって述べる。
「あの人達外見はあれでも悪い人達じゃないし」
「おそらくこの世界、いやあらゆる世界のことを真剣に考えている」
 テリーはそのことを見抜いて話した。
「誰よりもな」
「そういう人達なのね」
「そのことがやっとわかってきたか?いや」
 自分の言葉をだ。テリーは訂正した。そしてあらためて言うこととは。
「最初からわかっていてそのことを認識したか」
「そういうことなのね」
「ああ、そうなんだろうな」
 これがテリーの考えであり言葉だった。
「俺達はな」
「じゃあ今度の戦いこそね」
「それで終わらせる」
「あの人達の願いと期待に応えてね」 
 笑顔でこう話す馬岱だった。そうしてだった。
 連合軍は都に戻る。そのうえでだ。暫しの間休むのだった。


第百二十五話   完


                        2011・11・15 
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