リュカ伝の外伝
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下手なシャレは止めなシャレ?
前書き
今回のエピソードは前話の「聖母たちの子守歌」の
少し前の事になります。
なおネタ提供は田鰻様からのコメントからであり、
許可を頂いております。
いつもありがとうございます。
(ラインハット城:王族プライベートエリア)
コリンズSIDE
とある日中……
愛しの妻と、さらに愛し(くなる予定)の妻のお腹を優しく触りながら談笑をしていると、突然妻の所持するMHから呼び出しのコールが鳴り響く。
怪訝な顔になり妻がMHを懐から取り出すと、そこには可愛い可愛い妹君であらせられるリュリュ姫からの呼び出しコールだった。
「あ~もう……」と言い天を仰いだが、直ぐに表情を元に戻すとMHに応答するポピー。
俺はその場から遠離ろうとしたが、ポピーが「居て良いわよ……どうせ大した用事じゃ無いだろうし」と言って一緒にMHに映る位置へと留まる様掣肘する。
多分内容は実父との近親相姦に纏わる事だろうから、正直関わり合いたくないのだが……
「こんにちわリュリュ……如何したの? まだ仕事中でしょ……ってか、何その格好?」
『……………ダメだった』
会話が成り立たない。
平日の日中に呼び出した上に、何故だか彼女は母親と同じ修道女の衣装を身に纏っている。
相変わらずこの一族の行動は理解出来ん。
産まれてくる子供が、俺の血の影響を強く受けるのか妻の方になるのか……不安である。
「如何したのよ。母親の跡を継ぐ気になったの?」
『……うん』
何時ものふざけた物言いのポピーだったが、何か落ち込んでるリュリュからは予想外の返答がきた!
「「はぁ!?」」
俺ら夫婦は揃って大声を上げてしまう。
MHの向こうでは俯きがちのリュリュ。だが意を決して顔を上げると……
『あのね、お母さんと同じ格好でお父さんに会えば、きっとお母さんの跡目として愛人にしてくれると思ったの!』
ダメだ、やっぱりこの一族……特にこの娘と末娘の思考回路は理解出来ない。
「あんたねぇ……」
流石のポピーも、左手でこめかみを押さえながら唸る様に発声してる。
その感覚……解るよ。普段、君からも感じさせられてるよ。
『お父さんにね……私もシスターになったの、ムラムラする? って聞いたらね、『しない』って言われたの!』
話の内容以外……口調や仕草、それに表情などは凄く可愛いのだけど、その全てを台無しにするのが思考回路。
「あのねぇ……聖職ってのは生殖って意味じゃぁないのよ!」
今のポピーにはこれが精一杯なのだろう。
苦々しい口調ではあるが、なんとかダジャレで誤魔化そうとしている。
『あははははっ、面白いわポピーちゃん!』
だが思考回路が異次元のこの妹には気持ちが伝わらず、姉のダジャレを心底面白がっている。これが兄貴だったら、心が折れるくらい文句を言われてるだろう。
ポピーも両手で頭を抱えて俯いている。
『お父さんにもソレを言って、場の雰囲気を和ませてから抱いて貰うわね♥ ありがとうポピーちゃん。ポピーちゃんのお陰ってお父さんにも言っておくから……』
との妹君からの台詞に、ガバッと顔を上げて……
「や、止めなさい馬鹿女!」
『ふっ……ふえぇぇぇっ……馬鹿って言われたぁ』
普段ポピーに言われない言葉にショックを受けるリュリュ。
「アンタいい加減にしなさいよ! こちとら妊婦なんだぞ! 解るか妊娠中なんだ……外的要因、病気や怪我だって母子ともに命の危機にさらされる上に、心的ストレスだって大問題なんだぞ! まるで私がアドバイスしたみたいにアンタがお父さんにその格好とダジャレで迫ったら、私がお父さんに嫌われるだろうが! こんなストレス他にあるか!?」
『ううっ……ごめん』
一気に捲し立てられて落ち込むリュリュ……
可哀想だが、可哀想じゃ無い。
「そんな訳分からない事しないで……そうね、来週バレンタインでしょ。それにかこつけて何かプレゼントでもしなさいよ」
言い過ぎたと思ったのか、もう少しマイルドな代案を提示する嫁。そうやって甘やかすからぁ……
『バレンタインプレゼント……? でも私料理苦手だし』
“苦手”?
そんなレベルじゃないだろう。
「別に食べ物じゃ無くたって良いでしょ、プレゼントなんて」
『う~ん……分かった。なんかプレゼントする』
そう言うと何かを思いついたのか、少しは明るい顔になり通信を終了する。
「あ゛あ゛あ゛あ゛……もう!」
かなりのストレスだったであろう嫁は唸り声を上げてテーブルを叩いてる。
我が一族からすると、君の言動も同等だぞ。
「さっさとウルフが押し倒して、子供でも孕ませておけば、私がこんなに苦労しなかったのよ! 何なのあのヘタレ!? 役に立たないイ○モツぶら下げてるわね!」
凄い事を言い出したぞ。
「これで私が流産したら、アイツ絶対コロス!」
八つ当たりも甚だしい……
ってかこれ、八つ当たりってレベルか?
来週のバレンタインに、また一悶着ありそうだ……
被害がこちらに飛び火しない事だけを祈ろう。
コリンズSIDE END
後書き
田鰻さま、
もし思っていたのと違ってたらゴメンなさい。
私にはこれが精一杯でした。
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