イベリス

「赤い髪の毛のマッシュルームカットの女の学者さんいるでしょ」
「あの四角い顔と眼鏡の」
「人のお話は全く聞かないね」
「ずっと同じこと言ってる人ね」
「あの人にでもね」
「言うべきね」
「それかプロレスラーにでもね」
　暴力を振るうならというのだ。
「挑めばいいのよ」
「確実に反撃してくるわね」
「反撃出来ない相手にしか暴力を振るえないなら」
　それならというのだ。
「こんな卑怯なことはないわよ」
「そうよね」
「だから咲はこれまでよかったし」
　いじめをしなかったことはというのだ、咲にはそうした感情はなく周りでも酷いいじめは見たことがない。
「これからもね」
「いじめはしないことね」
「自分がＤＶ彼氏やＤＶ夫と出会ったら嫌でしょ」
「絶対に一緒にいられないわ」
　咲は即答で返した。
「もうね」
「だったらね」
「自分もなのね」
「自分がされて嫌なことはね」
　それならというのだ。
「もうね」
「嫌なことはしないことね」
「他の人にもね」
「そういうことね」
「当然モコにもよ」
「モコは妹だし余計によね」
「そうよ、大事にするのよ」
　こう言うのだった。
「何があってもずっとね」
「これからも」
「そう、あとね」
「あと？」
「あんたが結婚したら子供は悪いことをしたら叱っても」
　それでもというのだ。
「虐待はね」
「暴力はなのね」
「振るったら駄目よ」
「親がそんなことしたら駄目ね」
「それが例え血がつながってない子でもね」
「虐待は駄目よね」
「そんなことする人と一緒になってもいけないし」
　これもというのだ。
「駄目よ」
「相手の人に振るわせても駄目ね」
「そうよ、そんなことする人とは一緒に住んでもね」
「よくないわね」
「傷付くのはあんたでね」
「子供よね」
「そうだからね、そんなことする人はなおらないから」
　家族への虐待を行う様な輩のそれはというのだ、もうこれは深刻な精神病の一つと言っていいであろう。
「だからね」
「一緒に暮らしてもで」
「お付き合いもね」
「しないことね」
「こんなことするのは最低な人の一つだから」　
　最低と言っても様々なタイプがあるがだ。
「そうなるからね」
「最低ね、確かに」
「咲もそう思うでしょ」
「いじめやＤＶ行う人はね」
「そうした人は年齢重なると碌なお顔にならないからわかるわ」
　歳を経ればというのだ。
「人間人生がお顔に出るから」
「人相になるから」
「悪い生き方をしているとね」
　そうしていると、というのだ。