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少女は 見えない糸だけをたよりに

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14-7

 私、成人式は取りやめってことになったので、お誕生日に近くの馴染みの洋食屋さんで、お父さんがお祝いをしようと言って、家族で祝ってくれた。

「香波 やっと 成人だな でも、もう直ぐ 嫁いでしまうんだなー」

「お父さん 近くにいるんですから・・ ちょくちょく お世話になりにいきますよ」

「そうしてくれ 珠に 散歩でもせんと老け込んでしまうからな」

「やだー お父さん そんな風に言わないで 私も楽しみにしているんですから」

「お父様 これからは 私も 時々 香波の代わりしますから・・」と、お姉ちゃんも珍しいことを言っていた。

「燿 どうした風の吹き回しなんだ」

「まぁ お父様 私も娘なんだってこと 忘れているんじぁなないですの!」

 それから、数日後、私はお母さんと一緒に衣装を選ぶために出掛けた。その時、色打掛で巧と写真の前撮りとかで、お庭で撮影もしたのだ。私は、無理にお願いして、巧と再会した大学の構内でも撮った。そして、キャンセルが出たからと、式の予定が1週間程前の土曜日に早くなった。

「巧さん 新居 決まったの?」と、お母さんが

「はぁ まだ 良いところが無くて 空いていても1階とかで・・」

「そう でもね 香波ちゃんに持たす電気製品とか 選ばなきゃあなんないんですからね いきなりっていうのもね・・ 早い目にね 今のことだから タンスは要らないんでしょうけど 何が必要なのかわからないでしょ お布団だって ベッド用と床に敷くのじゃぁ違うし・・猫の子を送り出すんじゃぁないですからね」と、珍しく強い口調で・・。巧も頭を下げるしかなかったみたい。

「香波 猫の子だと思っていたけど 知らない間に 虎の子になっていたみたいだな」

「そうよ 虎の子 でも 巧の前では 猫の子になって 甘えるからね」 
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