ハッピークローバー
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第三十話 部活をしてその九
「それで百万の人がいて半分はね」
「お侍だったの」
「そう、五十万がお侍さんかその家の人達でよ」
「お侍が多くて」
「お侍なら刀をさしてるから」
「揉めごとが多かったのね」
「そこで刀を抜いたらね」
その時はというのだ。
「切腹でしょ」
「それは絶対ね」
「そうしたことを避ける為にね」
「大岡越前さんが右側通行にしたのね」
「それが今でも残ってるのよ」
「そうなのね」
「そうしたことが決まる位ね」
そして今も残るまでにというのだ。
「江戸市中ではよ」
「刀抜いたら駄目だったのね」
「そうだったの、ただね」
「ただ?」
「江戸はお侍多かったけれど」
人口の半分がそうであった位にだ。
「大阪じゃ殆どいなかったのよ」
「ここではそうなの」
「そうよ、この大阪ではね」
母は自分達が住んでいる街のことも話した。
「あの頃は大坂だったけれど」
「大坂ではなのね」
「大坂は五十万いたらしいけれど」
「江戸の半分位?」
「お侍さんは数百人位だったらしいわ」
「江戸と比べると全然少ないわね」
「そうでしょ」
こう娘に話した。
「そうでしょ」
「かなりね」
「それで一生お侍さん見たことない人もいたらしいわ」
「大阪じゃそうだったのね」
「ここは町人の街でしょ」
「そう言われていたわね」
「だから右側通行と言われても」
それでもというのだ。
「定着したのはね」
「後なのね」
「江戸よりもね」
「そうだったのね」
「お母さんはそうだったと思うわ」
「成程ね、しかしね」
一華は母の話に考える顔で返した。
「お母さんもよく知ってるわね」
「大学も行ったしね」
「勉強して来たの」
「これでもね」
「そうなのね」
「そうよ、だからあんたも進みたかったら」
娘に微笑んで話した。
「大学に行くのもいいわよ」
「商業科でも?」
「八条学園はどの学科でも進学率高いでしょ」
「それはね」
「だからよ」
このこともあってというのだ。
「あんたもね」
「進学していいの」
「あんたがそうしたいならね」
それならというのだ。
「行きなさい、学費もあるから」
「そうなのね」
「就職もいいけれど」
それと共にというのだ。
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