SO MAD
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第一章
SO MAD
おかしくなった、私は今の私自身を見て心から思った。
どうしてそうなったはわかっている、あの人を好きになったからだ。
それまでは誰を見ても胸の鼓動が高鳴ることも自分でも戸惑う位切なくなることもなかった。兎に角だった。
あの人を見るだけでどうしようもなくなる、好きで好きで仕方ない。あの人とずっと一緒にいたいけれどそれでいて見ているだけで切なくでどうしようもなくなる。
一体どうしたらいいのか、私は学生時代からの親しい友人に相談した。働いている会社は違うけれど今もよく会って仲良くしている。
その彼女に二人が馴染みの喫茶店で落ち合ってこの店の美味しい紅茶を飲みながら相談すると。
彼女は私に静かにこう言った。
「もうそこまで辛いなら告白すれば?」
「告白?けれどそれもね」
「怖いのね」
「言って若し駄目って言われたら」
断られたらだ。
「辛くて死にそうよ」
「そう思うのね」
「言えたらね」
「もう言ってるのね」
「私もね」
本当にそうしている。
「その時は」
「よくあることね、ただあんたがそうなるなんてね」
友人は私の向かい側の席から意外という顔になって言ってきた。
「思わなかったわ」
「そうだったの」
「あんたは冷静なタイプだからね」
「自分でもそう思っていたわ」
私は彼女に苦い顔で答えた。
「ずっとね、けれどね」
「その人を本気で好きになったのね」
「そうなってね、同じ会社の物凄く素敵な人で」
「それでなのね」
「ええ、見ただけで」
会って話をしたり挨拶をするなら尚更だ。
「死にそうになるわ」
「それは重症ね」
「だからあんたに相談してるけれど」
「告白も辛いのね」
「そうなの」
「それでもずっとそうだと辛いでしょ」
彼女は私に言ってきた。
「告白していいって言ってもらったら幸せになれて」
「駄目だったら失恋ね」
「二つに一つ、落ち込んだ時は私の部屋に来て」
その時はというのだ。
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