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夢幻水滸伝

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第二百四十九話 義侠心を胸にその五

「すぐ傍で殺し合いしててお店はやっていけません」
「そうですね」
「はい、それは」
「ですから平和であることがです」
「今回の様なことをなくす第一歩ですね」
「そうです、そうすればです」
 社長は紅美にさらに話した。
「皆幸せになります」
「賃金も上がって」
「そうです」
「ほな」
 それならとだ、紅美は社長の話をここまで聞いてあらためて考える顔になった、そのうえでこう言った。
「私がこの世界で頑張って世界を救うことは」
「はい、今回の様なこともです」
「なくせますね」
「少なくとも相当に減らせます」
「そうですね」
「この湖北省にしてもこの武漢以外の場所でも賊やモンスターが多く」
 社長は今度は省単位での話をした。
「また街や村同士でのいざかいもあります」
「それやと」
「我が社の様なことが頻発しています」
「そうですね、こんなことはないに越したことはありません」
 紅美は述べた。
「ほんまに」
「その通りですね」
 社長も紅美の言葉に同意して頷いた。
「賃金どころか命を脅かされてる人もいます」
「今の湖北省では」
「そうです」
「その状況を何とかしなければあきませんね」
「それが出来るのは」
 社長は紅美をじっと見て彼に話した。
「この世界を救えるのならば」
「湖北省もですね」
「そうなりますね」
「ほなですね」
「はい、まずは湖北省の為に立ち上がってくれますか」
「そうさせてもらいます」
 紅美は決意した、その顔で社長に答えた。
「是非共」
「では武漢の市庁に行かれて」
「そうしてですか」
「市長さんに会われては」
「市長さんですか」
「はい、我が社やこの港だけではやはり何事も限られているので」
 それでというのだ。
「はじめられるならです」
「街単位で、ですか」
「そうされるといいのでは」
「そうですか」
「はい、どうでしょうか」
「そうですね」
 紅美は社長の言葉に頷いた、そうしてだった。
 早速社長と一時の別れを告げてそのうえでだった、武漢の市長のところに赴いた、市長は天狗の五十代の男だったが。
 その彼は紅美に会うと驚きの顔で言ってきた。
「星の方が武漢におられると聞いていましたが」
「そうでしたか」
「私のところに来られるとは」
「思いませんでしたか」
「いえ、予想はしていましたが」 
 それでもというのだ。
「近いうちに私からです」
「お伺いに来られるつもりでしたか」
「ご自身が来られるとは。それで来られた理由は」
「色々考えたのですが旗揚げをしようと思いまして」
「旗揚げですか」
「この武漢を拠点として」
 そうしてとだ、ここでだった。
 紅美はここに来るまでの事情を話した、そのうえで市長に話した。 
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