少女は 見えない糸だけをたよりに
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14-3
費用の方は貸衣装が私のほうがかかるし、一切をお父さんが出すからと言っていたのを、私は巧に伝えるのが辛かった。巧のことだから、プライドがあって素直に納得すると思ってなかったから。案の定
「そんなのダメだよ 香波の衣装は高そうで手が出ないかもしれないけど、せめて、式の費用、写真代ぐらいは出すよ」
「うーん だけど お父さんから念押しされてるんだー これから、二人とも、新生活でお金がかかるんだから、そっちに回しなさいって それに、披露宴やる時のこともあるからって ねぇ 巧 お願い お父さんの言う通りにしてよー この頃、私、毎日、念押しされてるのよ」
「たぶん そうなるだろうなって思ってた・・あのお父さんの香波に対する思いは相当だものなー 自分の手であでやかな花嫁さんにしたいんだろうな 香波を」
「うん 夢だって言っていたから・・」
「わかったよー 香波 泣きそうな顔するなよー 香波がそうしたいんなら、それで、いいよー ここで、香波を困らせるようなことしたくないもんな」
「ありがとう 巧 わかってくれた? だから、巧 大好きだよ 今度、サービスするね」
「なんだ サービスって そんなにワッフルサンド食べられないよ」
「ちがう! サンドじゃぁなくて・・ もうー バカ」
私達は、予約するために、神社に行って、だけど、来年の4月の終わりしか空いてなくて、それも連休前の平日だった。とりあえず、そこで、予約して、もう少し前の土曜か、日曜のキャンセル待ちにすることにした。コロナのせいでキャンセルする組も多いということだったので。
そして、写真は白無垢と色打掛で、家族の集合写真も両方撮るということにしたのだ。
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