超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第三十話 断罪王Σと自称魔法使いの美少女カエデ。飼っている犬猫に去勢手術させる飼い主は今すぐ病院で去勢手術して来い!ペットが子孫残すのがそんなに嫌なら最初から飼うんじゃねぇよ!
ユウナちゃんとユウナちゃんのお母さんを食べ終えた僕は五百万円が入った封筒を持ってアオイちゃんをぶっ殺した家に帰宅する。
テーブルの上には食べかけのピザが残っていた。
「もう、寝よう」
ベットに横たわると、とてつもない睡魔が僕を襲う。
美味かったなユウナちゃんとユウナちゃんのお母さん。
人間の幸福度によって、その人間の味は変わる。
幸福度の高い人間の味はおいしい。
幸福度の低い人間の味は味が薄い。
*
次の日の朝、起床して一階に降りると、また侵入者らしき美少女が室内を歩いていた。
「だめ、じゃないか人の家に勝手に入っちゃ」
「それはこちらのセリフです。ヨシヒロさんをいったいどこに隠したんですか?」
「ヨシヒロ?」
おそらく僕が食べたこの家の住人の名前だろう。
「食った」
「え?」
「邪魔だから食った、腹も減っていたし」
それより、この美少女、よく見ると黒いマントに木でできた杖をもっている。
まるで、魔法使いみたいだ。
「君、そのコスプレかっこいいね」
「コスプレじゃ、ありません!ヨシヒロさんは今どこにいるんですか?」
「君、名前は?」
「質問に答えてください!」
「だから食ったって、君の名前は?」
「カエデです!魔法研究会のカエデです」
「魔法研究会?」
「ええ、近所の公民館で不定期開催している研究会のことです」
「ふ~ん、面白そうだね。それで、僕の食ったヨシヒロもその魔法研究会のメンバーだったのかい?」
「そうです、代表でした」
「代表?へぇ~そりゃすごい」
「本当に食べたんですか?」
「君、本当に魔法使えるの?」
「質問に答えてください!」
「さっきからずっと言ってるだろ!食ったって!」
「修行中です...」
「え?」
「だから!修行中なのでまだ魔法は使えません!」
「ヨシヒロは使えたの?」
「はい、そりゃあ代表ですから」
「ちなみにさ、その魔法研究会、メンバーは何人いるの?」
「二人です」
「二人?カエデちゃんとヨシヒロだけ?」
「そうです」
「ヨシヒロ本当に魔法使えたの?」
「はい、この家の地下に行けばわかるはずです」
「地下?この家に地下室なんてあったの?」
「ヨシヒロさんの名誉のためにも、ご案内します」
カエデちゃんが室内の本棚を横にずらすと地下へと続く階段が現れた。
「ほんとだ」
「ふふ~ん、すごいでしょう?」
「いや、すごいのカエデちゃんじゃないから」
カエデちゃんが地下室の灯りを点ける。
「地下室というより、研究所じゃないのこれ」
地下室には奇妙な生命体が液体と共に閉じ込めてあるカプセルがいくつも置いてあった。
床と天井には魔法陣のようなものが描かれている。
「ヨシヒロっていったい何者?」
「そりゃあ、魔法使いに決まってます」
「マッドサイエンティストの間違いじゃないの?」
「このカプセルの中に入っているのはとある人体実験で作られた生物兵器だそうです」
「え、これじゃあ生きてるの?」
「ええ、カプセルの中に一時的に閉じ込めてあるだけらしいですから」
「で、このバケモンカプセルと魔法、いったい何の関係があるんだい?」
「実はヨシヒロさんはこの地下室で管理している怪物達と自分の魔法で世界を征服しようとしていたんです」
「え、ヨシヒロ世界征服しようとしてたの?」
「はい、ヨシヒロさんは掌から衝撃波や火炎放射を出すことが可能でした」
「僕が襲ったときは衝撃波も火炎放射もされなかったけど」
「とにかく、ヨシヒロさんがいなくなった以上、あなたには私と共に世界征服をしてもらいます」
「なんで?」
「だって、あなたがヨシヒロさんを殺したんでしょう?あなたにはヨシヒロさんの代わりに私の世界征服を手伝う義務があるんです!」
このカエデちゃんとかいう女、アオイちゃんと同じぐらいやべ―やつな気がする。
「だいたいさぁ、ヨシヒロとカエデちゃんはどうして世界征服したいわけ?」
「私もヨシヒロさんもいまの世の中に不満を抱いているからです」
「もっと具体的に言ってくんない?」
「ヨシヒロさんの場合は自分の人体実験で完成した生物兵器を国に認めてもらえなかったこと、私の場合は成績が悪かったり、好きな男にフラれたりとか...色々ですね」
「ヨシヒロはともかくさぁ、カエデちゃんの動機はしょうもなさすぎない?」
「つまりです、世界制服さえ完了すれば、私とヨシヒロさんがこの国の支配者になるわけですから、今までうまくいかなかったこととかが、色々うまくいくんですよ!」
「でも、その肝心のヨシヒロが死んでしまったんじゃ、もうカエデちゃんは魔法を習得できないんじゃないの?」
「だから、あなたに手伝ってもらうんですよ」
「そりゃあ、僕はもう何人も人を食ってるけどさぁ、あんまり派手に目立ちすぎると、色々面倒なんだよね」
「手伝ってもらえないのなら、私は今すぐ、あなたのことを警察に通報します」
「してもいいけど、あんまり意味ないよ」
「どうしてですか?」
「僕はもう何人も人を食ってるけどさ、この国の警察はなぜか本気になって僕を捕まえよとしないんだ、その証拠に僕は未だに指名手配さえされていない」
「じゃあ、あなたはなにをやっても罪に問われないと?」
「そういうわけじゃないんだけどね、現に警察と戦った時もあるし」
「なら、なおさら、私の世界征服に協力するべきです」
「僕的に言わせてもらえば、成績が悪いのは単純にカエデちゃんが勉強しないのが悪いし、好きな男にフラれるのはカエデちゃんの性格に問題があるからだし。世界征服する前にカエデちゃんが努力すれば全部解決する問題だと思う」
「私は努力するのが嫌なんです!努力せずに楽がしたいんです!いけませんか?それに努力が必ず報われるとは限りません!だから私は世界征服がしたいのであなたに力を貸してほしいと頼んでいるんです!」
「うわーキッツいなぁ~コレ~」
「私がこんなに一生懸命頼んでいるんだから!普通、私の言う通りにするべきです!」
「いるんだよなぁ~こういう女ァッ!」
僕はカエデちゃんの両頬を手で掴む。
「い、痛い!」
「世界征服したきゃ、お前ひとりでやれや」
僕はカエデちゃんの両頬から手を離すと階段のほうへ向かう。
カエデちゃんが僕のせなかに向かって思いっきりタックルをしてきた。
僕はお返しにカエデちゃんの腹部に思いっきり拳を打ち込む。
カエデちゃんがお腹を押さえて魔法陣が書かれている床に嘔吐する。
「あ~あ~ヨシヒロの魔法陣汚れちゃったね~」
カエデちゃんが下から憎しみのこもった目でにらみつけてくる。
「なんだその目は!被害者ヅラしてんじゃねぇよ!」
「先に手を出したのはあなたのほうです!」
カエデちゃんが移動しようとする僕の右足首を手で掴んでくる。
「勝ち逃げなんて...させません」
僕は左足でカエデちゃんの頭部を思いっきり蹴り飛ばす。
顔中血塗れのカエデちゃんは仰向けの状態で轢かれたカエルみたいなポーズのまま痙攣している。
僕は地下室から一階へと戻ってテレビを見る。
地下室からカエデちゃんの泣き声が聞こえてくる。
心配して地下室に戻るとカエデちゃんが木の杖で生物兵器が閉じ込めてあるカプセルを何度も叩いている。
カプセルにひびが入る。
カプセルが割れると、中の液体と同時に人の形をした生物兵器が出てくる。
「あははは...これであなたもこの国もおしまいです」
カプセルから出てきた生物兵器の口から出てきた触手がカエデちゃんの耳と鼻の穴に入る。
生物兵器に体内の栄養と血液を全て吸い取られたカエデちゃんがミイラになる。
「シンゴォォォォォォォォーッ!」
僕の衣服は粉々に破れ、筋肉が膨張し、皮膚を鋼鉄の装甲が覆う。
危険を察知した僕はすぐさま断罪王Σに変神して、生物兵器の攻撃に備える。
生物兵器は自らの肉体を変化させる。
そして、生物兵器の姿がカエデちゃんになる。
「その体、あなたはいったい何者なの?」
カエデちゃんの顔をした生物兵器が僕に話しかけてくる。
「それはこっちのセリフだよ」
「私はカエデです、これでやっとフェアな状態になりましたね」
「嘘だ!お前はカエデのふりをしているだけだ!」
「残念ですが本物です、あの生物兵器は私の栄養と血液だけでなく、おそらく精神エネルギーも吸収したのでしょう」
生物兵器と一つになったカエデが僕に襲いかかってくる。
僕はカエデちゃんの手刀を避けると同時にカエデちゃんの腹部に思いっきり蹴りをぶち込む。
カエデちゃんの全身が吐しゃ物塗れの魔法陣が記された床にめり込む。
僕は続けて鋼鉄化した十本の指を伸ばしてカエデちゃんの手足と腹部に突きさす。
「うぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
「これでもう、カエデちゃんはどこにも逃げられないね。どうして、こんなことするんだい?」
「それを私に聞きたくて、わざと頭に攻撃しなかったの?」
「そうだよ」
「私は、ヨシヒロさんがあなたに殺されたことを知ったとき、とても悲しかった!でもあなたがヨシヒロさんの代わりに世界征服の夢を実現できれば、ヨシヒロさんの死も報われると思った!」
「そっか、君はヨシヒロが好きだったんだね」
「あっさりフラれちゃいましたけどね」
「じゃあ、死ね」
僕はカエデちゃんを食べた。
でも、精神がカエデちゃんでも肉体が謎の生物兵器なので僕は全部魔法陣の記された床の上に吐いてしまった。
「まずい」
魔法陣の記された床の上にかつて自称魔法使いを名乗っていたカエデちゃんの姿をした生物兵器の肉が散らばっている。
地下室にはまだ謎の生物兵器のはいったカプセルが数えきれないほどある。
こんな気味の悪い家に僕はもう済みたくない。
僕はヨシヒロの家を出た。
一週間経ってもテレビでカエデちゃんとヨシヒロの死、そして地下室の大量の生物兵器が世間に公表されることはなかった。
そして、もちろん僕が指名手配されることもない。
静かすぎる。
あまりにも静かすぎる。
おそらく僕の知らないところで、なにか僕にとってよからぬことが動いている。
次回予告 第三十一話 断罪王Σと美少女飼育員アカネ。動物園の飼育員たちはなぜ動物が好きなのに動物を檻に閉じ込めて自由を奪うことに対して見て見ぬふりをするのだろうか?
後書き
次回もお楽しみに!
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