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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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47話 大いなるEvil

 
前書き

仮面ライダー滅

パンチ力 135t
キック力 405t
ジャンプ力 15.5m(ひと跳び)
走力 0.35秒(100m)

 
 
アークが最初に生み出した仮面ライダー。特殊なラーニングによって、基礎スペックの底上げや技の見切りを行える。これによって戦場における戦力インフレについて行くことができる。そのおかげでスペック上は圧倒的格上でも自分のスペックが上昇するために、対応することができる。
 
  

 




「アークの意思を汲み取り—————今ここでお前を消してもいいんだぞ—————」
「え、え、戦う?是非よろしくお願いします!!」



微妙な空気が流れる。ネタがちょうどいいくらいに滑った時ぐらいに微妙な空気。ただ、滅からは怒り満ち溢れる息が溢れるのが聞こえた。




「アークの意思はお前らで言うところの天啓。天啓に基づき行動するのがこの星の新たな(あるじ)となる我々のゆくべき道標だ!」
「ふーん。まぁ勝手にほざいてればいいと思うけどさ——————」
「——————————」
「この町の人が持つような善意がないようなお前らが叶える人類滅亡より虚しい物はないだろうな。」
「何だと?アークを侮辱する気か!?」
「もともと侮蔑してるよ。人間の悪い部分にしか目を向けられなかったアークも...............滅、お前もな。」
「貴様!!———————それがアークの意思か..............」
「ん?」
「今、貴様と戦うべきではない———————それがアークの導き出した結論だ。」
「あっ、そう。」



滅は地面にアタッシュアローの矢を放ち、爆煙を上げる。そしてその爆煙は彼の体を何処かへと消してしまった。彼の言うことが本当なら、アークの意思はかなり正しい判断をしている————————が、どの道俺に挑むということを結論付けるならそれはポンコツとしか言いようがない。



≪ガッシューン!≫


ドライバーに刺さっていたガシャットを引き抜いて変身解除。戦闘中に自分の身を守っていた無敵の星屑がどこか彼方へと飛んでいった。

ひと段落——————と思っていたところに、戦闘の音で飛び起きたのか、眠っていた果南がこちらに飛んで来た。



「才!?——————何かあったの?」
「いや..........ちょっとサウザーがこの島に来てたからボコして追い出した。それだけのことだ。」
「————————嘘つかないでよ。」
「え?」
「私見たよ?滅って人と才が話してるところ。」
「................どこまで聞いた?」
「才とその人が口論になってるところまで。」
「そうか..............気にするな。別に変わったことじゃない。ただ、倒すべき敵が増えただけだ。」
「じゃあ何でそう言わなかったの?」
「—————————珍しく頭が回るな.............」
「惚けないで。才が言わないってことは相当重要なことだって、昔からそうだった。」
「————————じゃあお前に何ができるんだ?お前は仮にもスクールアイドルだ。仮面ライダーじゃなければ、直接世界を救うことなんてできない。だから———————知らなくていいんだよ。」
「そっか............そうだよね。」
「じゃ、また明日な。」
「うん..............」



















「そういえばそろそろ花火大会だな...........ん?」



ウンメイノ~♪



連絡船に乗っている最中。スマホが鳴っていると思い、制服の長ズボンのポケットに手を入れるが反応がない。そこでようやく腕時計の方がなっておるのだと気づいた。この腕時計で連絡するのは1人しかいない。



「よっ、久しぶり—————かな?オーマジオウ..........」
『久しいな..........元気そうで何よりだ。』
「一応俺たち祖父と孫の設定なんだろ?なんかよそよそしくするのも変だな..............まぁ、別にいいけどさ。」
『それより、調子はどうなんだ?』
「ああ、これからテストが終わったら花火大会の準備をするつもりだ。」
『そうか...........そっちで動きはないか?」
「———————————どうせ知ってるんだろ?....................アークが滅亡迅雷.netってのを作ったらしい。」
『ほう.................仮面ライダー滅か————————』
「ほら知ってるじゃん。知ってるんならわざわざ聞かなくたって............」
『単調とした報告では意味がない。お前の見解を通して初めて得るものもある。その様子だと大したことなさそうだが...............』
「はぁ...........知ってることを。」
『わかってると思うが、人々を守り、そしてAqoursを守り導くのがお前の使命であって、そのように信念を持っているはずだ———————ただ心。どんなに力を得ても、心に勝る弱点も強みもない。持って得てしまった心を曲げるのは間違いだ。だが偶には信念を曲げ、自分の気持ちに正直になってみるのもいいのかもしれない——————————』



オーマジオウとの通信が切れる。彼は全てを見透かしている。俺がどんな気持ちなのか、はたまたAqoursのみんなや他のライダーがどんなことを思っているのかも。それをわかって聞けば、最後の発言は含みがあちらこちらに見えてくる。そしてその難しさというのも身を染みてわかってくる。


《《矛盾こそ世界の真理》》。その言葉は大方的を得ているのかもしれない。




「でも.............今やるべきなのは花火大会と最強のアイテムの製作だ。早く虎太郎にも戦ってもらわないと——————」



通り掛かる乗客や船乗り場の係員らに数奇な目で見られながら、連絡船乗り場を後にする。もちろん数奇な目で見られているのは独り言のせいなのだが、俺はそこまで共感は求めていないので大したことはない。

さて..................突っ走って帰るか!!






その後午後7時過ぎに車とチェイスする青年の目撃談が後を絶たなかったという——————————













〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜















「なぜ俺にアイツを倒させてくれなかった!?アーク!!」
「落ち着け滅。私を侮辱した伊口才を滅ぼしたいのはわかるが、今は抑えろ。じきに私の結論が正しかったとわかるだろう。」
「だが——————!」
「今のお前ではあのムテキゲーマーと戦っても話にすらならないだろう。私が液体金属状から生身を手に入れることが出来れば、お前がこんな話をしなくても良くなるだろう。とにかく私の復活を優先だ。その事を最優先に動け。」
「滅亡迅雷.netの他のメンバーはどうなっている?」
「2体はすでに放っている。いずれ仲間になる時が来る。」
「ではもう1体は..............」
「もうすぐ用意する。よりシンギュラリティを迎えやすいような個体をな。」
「シンギュラリティを?」
「ああ。我々人工知能はラーニングによって強くなるが、感情がない。故に他の仮面ライダーのように感情で強くなることができない。シンギュラリティはその弱点を克服する。」
「俺にもシンギュラリティが起こりうるのか?」
「ああ。だがお前はラーニングによる成長の方が一段とずば抜けるように設定した人工知能だ。だがそれが起こるよう行動しろ。」
「はっ。」
「シンギュラリティによって憎しみや憤怒が生まれ、それによって強くなる。その時が人類滅亡の時だ—————————」




アークのコアである神鏡は怪しく光る。その奥底には憎悪や殺意、絶望感、破滅的感覚。そんなのもので満ち溢れている。それに呼応する様に滅の瞳も赤く光る。


人類滅亡。アークは自分が見られる時間軸を観察し、どのようにすれば人類滅亡に近づけるかを常にシミュレーションしている。もちろん仮面ライダーの世界観も知っている。そしてその世界が辿り得た世界もまた知っているのである———————



まさにこの世界の諸悪の根元。


だがそんな思想を持ち持ち始めたのは、紛れもなく代々の小原家である。彼らが見せてきたのである。人間の愚かな歴史を。その部分だけを切り取って。そうであるとして結局のところ、そう判断したのはアーク自身なのだが。



















—————※—————



















「おーい。才!」
「あっ、稜。」



口野放水路の交差点まで走ってきた俺は、同じく伊口邸に帰ろうとしていた稜と偶然出会う。稜は俺とは違ってマシンフーディーに乗ってここまで辿り着いた。俺もバイクで行けばよかったな................でもバイク使ったら稜とも会えなかっただろうし。



「どうしたんだ?口野トンネルから出てくるってことは伊豆の国に行ってたのか?」
「ああ、拾い残した眼魂を探しにな。」
「それで見つかったのか?」
「ああ。ずっと探してたんだけど、今日でようやく最後の眼魂を見つけられたよ。」
「じゃあ残りはサウザーが持ってるので全部ってわけか———————」
「ああ。」
「———————————ちょっといいか?」
「ん?」


同じ道を男の幼馴染と歩いている最中に、形式ぶった言い方は個人的に好かない。そこでこの言葉選びだ。



「どうやらアークが滅亡迅雷.netってのを創ったらしい。ちょうど淡島でそのメンバーの滅って奴と会ったところだ。」
「滅亡迅雷?一体何者なんだ?」
「本人曰くアークに作られた人工知能だそうだ。おそらく、戦闘の出来ないアークに代わって雑務を————————それが目的だろう。あるいは................」
「あるいは?」
「アーク本人が依代を持つための布石——————とかね。」
「ああ................」



稜はどこか掬われない顔をしていた。俺も読心術を体得していると胸を張って言いたいのだが、それはあくまでロジック的な話。人間の複雑な心理。人間のカオス的な読心は滅相弱いのだ。

その顔を少し観察していたうちに、稜がため息を嘲笑するように吐く。



「お前って奴は...........他人に口出しばかりする割には自分を気にしない。」
「え?」
「昔からお前はそうだ。表面でどれだけ取り繕っても、自分のことにはとことん盲目的だ。」
「どういう................?」
「淡島に行ったってことは果南を送り届けたんだよな?」
「ああ。勉強会の帰りにな。」
「そのあと、その滅って奴と出会ったんだろ?」
「ああ。」
「戦い終わって話した果南の様子はどんな感じだった?」
「!!!!」



ドンピシャだ。俺は今までの行動についてヒントすら与えていない。つまり予測だけでここまで俺の行動を言い当てたのである。そこまで俺の行動が型に嵌っていたとでも................



「—————————なんか物足りなさそうじゃなかったか?」
「!!!!」
「その様子じゃ、図星だったみたいだな。」
「だから———————どういうことだ?」
「そんな顔してたってことは、お前が何か言ったってことだよ。」
「—————————」
「みんなお前の身を案じてるんだよ。特にあの9人はな。」
「え?」
「お前はAqoursを守るっていう使命にとことん独善的で盲目だ。お前は小さい時から俺たちの事を考えるあまりに、自分のことを蔑ろにしている。それすなわち《《お前を案じるアイツらの気持ちを蔑ろにするのと同じだ》》。」
「........................」


蔑ろ—————————-か。確かにそんな節はあったかもしれない。人は誰しも他人を見て自分を認識する。でも俺はそれを怠ってきたのかもしれない。でも................


「いくらお前が万能だからといって、1人で戦ってるわけじゃない。それはラブライブでも同じこと。アイツらだけで戦ってるわけじゃない。だから————————お前のことはアイツらにも少しは背負わせてやれよ。」
「それはできない。」
「!!!!」
「少なくとも《《俺の》》負担をアイツらにかけてやるべきじゃない。Aqoursをラブライブで優勝させるのなら尚更だ。」
「でも『俺たちの!!!』
「俺たちの役目は人々を守り!!そしてAqoursを支えることだ!!!!!」
「お前...............」
「あ..............ごめん。熱くなりすぎた。でもこれだけは譲れない。俺の信念だ。」
「そうか......................」



俺と稜は少し沈黙しながらも再び談笑を始めた。先ほどまで何もなかったかのように。俺と稜はそう言う関係性なんだ。だが................










——————※——————










「あー戦いたいなぁ.............」
「「みなさーん!ここにイキリ倒した戦闘狂が!!!!」」
「こらお前ら!!変なこと言うんじゃねぇ!!」
「いや才くんそれは流石に否定できないよ................」
「ルビィまで—————」
「いや今のは誰が聞いても戦闘狂だろ。」


流石に今のは俺でもわかったが。ほんと俺はどこまで最低なのか.............主人公失格だよ。まぁ、改める気は更々ないのだが。

でもこの2人ほど言わなくても良くないか!?曜と千歌のせいで俺の悪い部分が皆に定着しちまうだろうが!!!!全くこの2人は———————すぐ組んで俺を陥れる...............


「もう陥れるのはやめてくれよ。あらぬ誤解を招く。」
「全くもって事実だけどな。」
「魁...................お前珍しくツッコミなんだな。」
「才さん!!これではリモート勉強会の意味がありませんわ!!」
「あぁ..............そうだった。」


今リモートで勉強会中なのである。もちろん最初は俺も教えていたのだが、段々とそう言う雰囲気が消えかかっていくのもまた勉強会である。ちなみに黒澤姉妹と小原姉弟は共同でしてもらっている。魁にもパソコンはあるのだが、反響すると面倒なのでという理由で共同である。あと花丸には善子の家に行ってもらっている。こちらも言わずもがな、スパコンブレイカーだからである。

話は変わるが、稜との帰り道での件があったので、そこから俺は果南に細かく話さなかったことを遺憾に思っていた。だからこの状況で———————


「果南。」
「ん?」
「なんか今日は...........ごめん。俺も何かわからない片意地張ってたよ。」
「あぁ..........気にしてないよ。別に。」
「え?果南ちゃんと才君何かあったの?」


俺の突然の謝罪に梨子が不審に思ったのか、聞いてきた。ここは稜の忠告通りハッキリ言う方がいいのかもしれない。


「魁も居ることだし、この際ハッキリ言うよ。」
「「「「「「「「「???」」」」」」」」」
「今日、滅亡迅雷.netの滅って奴と会った。」
「「「「「「「「滅亡迅雷.net???」」」」」」」」」
「新しい『いんたーねっと』ずら?」
「んなわけないでしょ!?」

善子が即座にツッコミを入れる。

「それより何なの?滅亡迅雷.netって。」
「人工知能アークが創った人類滅亡のための組織らしい。ついにアークが本格的に動き出したって見ていいだろう。」
「「人類滅亡!!ピギッ!!」」


いやダイヤもその鳴き声するのかよ.................


「滅亡迅雷の滅?じゃあ迅(じん)とか雷(かみなり)とか亡(ぼう)とかもいるってこと?」
「わからないけど、多分そうだろうな。アイツ自身、メンバーが居るってことを暗に示してる。」
「そうか................とうとうアークが動き始めたか————————」
「問題は、ここからアークがどう動くか。そしてサウザーがどう動くか.............」
「——————————」


俺のパソコンの中央に、映し出された俯いた千歌。Aqoursの他の8人が心配そうな顔の中、1人だけ神妙な面持ちで俯いている。


「ん?千歌、どうした?」
「え、あぁ。何で《《才くんたちが戦わなくちゃいけない》》のかなぁ—————って。」
「それはサウザーがラブライブを廃止しようと動いているからだろ?」
「それは知ってる。でも才くんが戦う理由に人類滅亡とラブライブ廃止の阻止が繋がるのかな............」
「千歌ちゃん?——————まぁ、確かに関係は全くないよね。」


曜が千歌の意見に相槌を打つ。俺も言われて今気がついた。そもそもサウザー個人とアークの接点について俺たちは知らない。生み出したのはその先祖でも、今や存在しているのはこの内浦なのだ。オハラの手から離れていたのだから、個人的な接点がなければ邂逅することもない。

そしてアークにはサウザーに協力するメリットがない。悪の人工知能が人間の言うことをわざわざ聞いてくれるだろうか?つまりはサウザーのおかげでアークに都合の良い何か起こっているのだ......................


「才さん?どうされました?急に黙り込んで........」
「悪い。ちょっと用事を思い出した。後は頼むぞ、ダイヤ。」
「ちょっ!才さ」


パソコンの映像を人の顔から、文字が並べられた映像に切り替える。





「こんな大企業にハッキング仕掛けるのなんて久しぶりだな...........!」






さぁニューゲームスタートだ——————!









〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜







「...........これで何件目だ?ここ最近一般人が怪人化する現象が多発してる——————」
「うーん............流石にあからさますぎるよね—————」
「そうですね、東京の5%の都市破壊と何か関係があるのかもしれませんね。」
「もしそうだとしたら............オレたちの知らないところでとんでもねぇことが起きてるのかもな。」
「いやぁ.........物騒な世の中になったねぇ...........」
「《《穂乃果》》!!人事じゃありませんよ!?こんなことではラブライブの予選や決勝も開催できなくなりますよ!?」
「えぇ!?!?そんなの初耳だよ!!海未ちゃん!!」
「何度も言いましたよ!?全くあなたと言う人は——————!!」


東京の下町。閑静な街で人一倍騒ぐ連中。そこだけ目立って見える。もう誰かお分かりであろうが、4人の中3人はかの伝説を創った、μ'sの創設メンバーである高坂穂乃果、南ことり、園田海未。

怒り顔に困り顔に驚き顔と様々な表情がある中で、ただ1人シリアス漂う顔でこの状況を見つめる男が1人。その男に3人の中のことりは再び話しかける。


「これからどうするの?」
「決まってる———————戦うだけだ。オレたちにできるのは、ライダーとして戦う——————それしかないんだよ。」
「さっすが!!覗(ねらい)くんカッコいい〜♡」


ことりのあざとくも可愛い声がその男に届く。だが、少し顔を緩ませるに止まらせた。


男の白銀の髪が夜空に舞い上がる..................











 
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