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ハッピークローバー

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第二十九話 夏休みにはその十二

「あの人って」
「そうなの」
「それで気に入った娘のおっぱい触るらしいわ」
 かな恵は一華に話した。
「そうらしいわ」
「あの人無類の酒豪よね」
「トライアスロン部でね」
「その二つで有名だけれど」
「女の子好きでもなのよ」
 このことでもというのだ。
「あの人有名なの」
「そうだったのね」
「この学校にも普通によ」
「レズの人いるのね」
「ホモの人もかも知れないけれど」
 それと共にというのだ。
「レズの人もね」
「いるのね」
「世界的には禁じられてる国も多いけれど」
 キリスト教ではそれだけで罪に問われた、死刑が適用されることすらありオスカー=ワイルドは裁判になり投獄されている。
「日本では違うからね」
「禁じられたことないからね」
「しかも同性愛って性犯罪の実証が難しいみたいよ」
「そうなの」
「男の人と女の人の場合よりも」
「同性だとなの」
「男の人同士でもそうでね」
 かな恵はさらに話した。
「女の人同士でもよ」
「性犯罪になりにくいの」
「スキンシップと思われて」
 その為にというのだ。
「中々ね」
「実証されないの」
「だから余計に積極的になる人もいるかも知れないし」 
 犯罪にならないのならというのだ。
「だからね」
「女の人にも注意しないといけないのね」
「露出はね、富美子ちゃんの言う通りかもね」
「そうなのね」
「高知県、土佐藩の頃は美少年の家に襲撃かけてね」 
 坂本龍馬で有名なこの藩ではというのだ。
「攫ってね」
「そうしたことしてたの」
「そんなお話もあったそうよ」
「それはまた凄いわね」
「坂本龍馬さんはそうした趣味なかったみたいだけれど」
「脱藩しても」
「それからもね。女の人が好みだったみたいよ」
 一説にはそれで梅毒であったという。
「あの人は」
「そうだったの」
「ちなみに新選組でも多くて」 
 坂本龍馬と並ぶ幕末の代名詞となっている者達もというのだ。
「薩摩藩は特にね」
「西郷さんや大久保さんの」
「あそこは稚児文化があったから」
 今で言うと美少年趣味の文化があったというのだ。
「そう考えたら西郷さんと大久保さんも」
「あの二人幼馴染でずっと一緒にいたわね」
「絆凄かったでしょ」
「そしてその絆には」
「そうしたことがあってもね」
「悪いことでもなかったし」
「不思議じゃなかったかもね」
 ただし西郷は人生で三度結婚している、そして大久保は家では実に子煩悩な父親であったという。彼等も私の生活があったのだ。
「それでもね」
「そうなのね」
「だからね」
「私達は同性にもなのね」
「気をつけないとね」
「いつも無防備じゃ駄目なのね」
「そういうことね」
 こう一華に話した。
「富美子ちゃんの言う通りに」
「わかったわ、じゃあいつもね」
「女の子同士の時もね」
「ガードはしていくわ」
「無防備でいないで」
「そうしていくわ」
 一華は言った、そうして実際に心掛けにした。そのうえで夏に向かうのだった。


第二十九話   完


                   2022・3・8 
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