ドリトル先生のダイヤモンド婚式
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第四幕その五
「先生のお家に行くから」
「そうしてだね」
「先生を案内するわね」
「宜しく頼むよ」
「そういうことでね」
「それじゃあね。それとお二人のお家は震災があって」
それでというのです。
「その時にあたらめて建てたから」
「昔のお家じゃないんだね」
「結婚してからローンでお家を買ったらしいけれど」
「そのお家はだね」
「あの震災でね」
神戸を襲ったそれでというのです。
「壊れてしまったの」
「あの震災は大変だったからね」
「けれどお二人もご家族の人達も親戚の人達も皆無事でね」
「それはよかったね」
「お二人もそう言われてるわ」
「それは何よりだね」
「日本は災害が多くて」
そうした事情があってというのです。
「それでね」
「地震も多くて」
「神戸も見舞われたから」
そうなってしまってというのです。
「大変だったのよ」
「それでお二人のお家もなんだ」
「その時に一旦壊れて」
そのうえでというのです。
「建て直したのよ」
「そうだったんだ」
「全く、何が一番怖いってね」
お静さんは前足を腕の様に組んでそのうえで言いました。
「災害、火事や雷、台風でね」
「特に地震なんだ」
「正直空襲よりも厄介よ」
こうしたものはというのです。
「先生も思うでしょ」
「日本に来てわかったよ、地震は戦争より怖いね」
「物凄い被害を出すからね」
「台風も凄いけれど」
「地震はね、東京の歴史を観ていたら」
「関東大震災ね」
「あの被害の恐ろしさは」
調べてみるとだったのです。
「ぞっとするよ」
「あの時も私は神戸にいたけれど」
「大変だったね」
「もうあっという間にね」
それこそというのです。
「あの街が廃墟になったのよ」
「東京全体が」
「そう、あの後で空襲もあったけれど」
「お静さんとしてはなんだ」
「空襲以上にね」
沢山の人が亡くなったこの時よりもというのです。
「恐ろしかったわ」
「そうだったんだね」
「それで神戸でもね」
「阪神大震災でだね」
「とんでもないことになったから」
それ故にというのです。
「何が一番怖いかっていうと」
「地震だね」
「そう思っているわ、そしてね」
それでというのです。
「ご夫婦もよ」
「地震でだね」
「大変な目に遭ったのよ」
「神戸に昔からいる人はそうだね」
「もう随分時が経ったけれど」
お静さんは遠い目でお話しました。
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