人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった
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22話 動き出すProject
「あなたたちもしかして、Aqoursの皆さんですか?」
「え、えぇ..........はい。」
「でも何で...........」
「この娘たち脳に直接——————!」
「今はそんな状況じゃねぇ。」
「マルたちもうそんなに有名人?」
俺たちを知っているということは3つにその身元は限られてくる。1つは俺たちのセキュリティを突破するぐらいの天才ストーカー。2つ目はスクールアイドルのファンの方。3つ目は俺たちと同じスクールアイドル。まぁ、少なくとも1つ目は普通に考えなくても不可能ではあるが。
「PV観ました。素晴らしかったです!」
「あ、ありがとうございます。」
「いや〜ご視聴いただき誠にありがとうございますよ。さすがこの『天っ才』演出家が誠心誠意創り上げた最っ高のPVはもうetc..........」
「姉様、この人バカ?」
「バカじゃない(キメ顔)!!俺の名は天才の中の天っ才である、Aqoursの演出家伊口才だ!!」
「へぇ〜貴方がPVの演出を?」
「ええ、ちなみに編集もこの俺が。全ては自分の才能を使って善意をetc...............」
「「「「「「「「「(スルー)」」」」」」」」」
「もしかして、明日のイベントでいらしたんですか?」
「え、えぇ...........」
「じゃあ、明日を楽しみにしてますね...........」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
「—————————————!」
挨拶を軽くした後、その姉であろう少女に走って追いついていくもう1人のつり目の少女。俺たちの目の前を—————バク転からのムーンサルトを超華麗と言えるほどに決めていく。しかもまだ余裕がある—————————その様子はそのムーンサルトを行いながらでも走馬灯の一瞬に焼き付いて離れない微笑を俺たちにもたらしたということで、十分だろう。
「では!」
「あ、ちょっと。」
「すごいです!」
「東京の女子高生ってみんなこんなに運動できるずら!?」
「当ったり前でしょ!!東京よ!?東京!」
「凄い奴らだったな.............」
「まぁ、流石に俺の全てにおいての華麗なテクには負けるだろうけどさ!!」
「はいはい。」
「歌............綺麗だったな..........才くんもそう思わない?」
「まぁな。ハーモニーってやつなんだろうな。しかも姉妹だったらそのコンビネーションは超抜群なはずだ————————!」
「また...................会えるかな?」
「ああ、多分な———————————あ、そういえばお前らに紹介しなきゃいけない人がいるんだった!!時間もあまり無いし、早く行こうぜ!!!!」
「え、ちょっと待ってよ才君!!」
「負けてられない!!私たちも行くよ!!」
「オッケー!全速前進!ヨーソロー!!」
「待ってずら〜!!!!」
「転移魔法を——————!」
「使えないでしょ?」
「マジレスしないでよ!!!」
こんな笑顔がやっぱり1番だ。みんなで笑い合って、肩を並べて内浦を守る。そのまま怪人もなくなってしまえば、憎しみなんて消えて仕舞えばいいのに。
————※————
「というわけで今日から俺たちの仲間みたいな立ち位置になる黒地祝だ。よろしくしてやってくれ!」
「あのスクールアイドルワールドの運営委員長!?」
「と言っても主催者であるだけで、業務内容にはほとんど加わってないから何かを期待しても無駄だよ。」
「そりゃそうだ................」
「私は君たちの魅力をまだまだ知らない.........................ということで、スクールアイドルの魅力と一緒にこれからを通じて私に示していってくれ。」
「もちろんです!!」
「それが何かはまだ探している途中ですけどね。」
この人は元々、スクールアイドルの事情などは微塵も知らないだろう。だからこそ、教え甲斐があるってものだ。教え甲斐と言ってもその知らせるものが何かという事が俺たちはまだわかっていないのだけれど。
「ただ、私の任務はあくまで怪人の謎の追求と掃討だ。くれぐれもスクールアイドルのお手伝いさんとは勘違いしないでいただきたい。」
「うっ————————わ、分かってるさ!!」
「お前絶対こき使うつもりだっただろ?」
「そんなことはない(素面)。仮にも祖父ちゃんの預言者だからな、そんなこき使うなんてことはしないぜ。」
「「嘘つけ(!)」」
本当は祝には逆預言者として活躍してもらうという俺の企みはすでにあの2人にバレていただと?—————————心を読んでいる.......................................だと!?
ここで祝の促しで、その大人2人が旅館のフロントから鍵を持って出て行こうとする——————ん?何かがおかしいような..................!
「ちょっと待て!どうして部屋の鍵が2つしかないんだよ!?!?」
「ご察しの通りさ。」
「何冷静に話しかけてんだよ!!大問題だろうが!!」
「ああ——————それはな...................」
「大部屋と小部屋2つを予約するつもりだったらしいが............この竜介君が大部屋一室しか予約していなかったらしい。それで緊急で私が小部屋一室を確保したわけだが............これ以上空室は無かった。」
「じゃあ俺たちと千歌たちが相部屋ってことか!?」
「残念ながらそういうことになるね。」
「「「「「「ええ!?!?!?!?」」」」」」
「言葉の意味が分かってるのか!?男子校生と女子高生が相部屋だぞ!?これほど社会的にキツいことはないぞ!!!」
「でも大人である我々が相部屋するよりはマシじゃないのかい?」
「何だろう...............言い返せないな............」
「才、仕方ない。1対1じゃないだけマシだ。」
「はぁ........最悪だ...........」
俺は溜息を漏らしながら、渋々了解して部屋に向かう。正直、千歌達とお泊まりのようなことするのは小学校低学年以来だろうか。いずれにせよ、それ以降は思春期というものが来たのだから一緒に泊まるということはなかなかできていない。そして今、10年近くの時を経てそのような状況が再び蘇りつつあるのだ———————————
早速中に入ると、広がるのは和室。千歌の家には何度も邪魔しているので見慣れた光景でもあるのだが、初めて来たという概念だけで新鮮味が増すものだ。
「よーし!早速浴衣に!」
「ち、千歌ちゃん!!!」
「ん?なぁに?」
「なぁに?じゃねぇよ!!俺たちの前で脱ぎ始めるな!!!」
「『俺たち』って、虎太郎君いないじゃん。」
「虎太郎が同じくトイレに着替えにいってるからの話だろうが。そしてさりげなくそのブラジャーを俺に見えるようにするな。」
「別にいーじゃん!昔は曜ちゃんと一緒にお風呂にも入ったじゃん。」
「昔は昔の話だ!!今はもうお前も華のJKなんだからし、周りにはそうじゃない奴もいるんだから自粛しろよ。」
「でも曜ちゃんも脱ぎ始めてるよ?」
「え!?曜!お前もかよ!?」
「それを言うなら他のみんなもはだけかけてるじゃん。」
「ッ!!!——————————」
「才くん!」
「いやこの状況でそこにいる方が可笑しいだろ!!」
JKがはだけかけてる状況でその場に居られるのは、余程抜けたやつかとんでもないヤリチン野郎ぐらいじゃないとあの場にいることなんかほぼ不可能だろう?しかもその体は俺が—————————幸運なことに、その場は1人であったのでそこで浴衣に着替えさせてもらった。
しばらく経って、落ち着いたことを確認してから着替え終わった虎太郎とその大広間に入った。
「やっぱり落ち着くな............もう少しで落ち着くにも落ち着けなくなるところだったぜ。」
「やっぱりアガってたんじゃん。全く〜!!!!!」
「もうこの話はなし!!」
千歌の弄りに対して、俺は全てに対してシャットアウトをかける。こういう話は立場上やめていただきたいのだが...............
「てか今気づいたけど、曜はバスガイド服じゃねぇか。」
「えへへ!何か修学旅行みたいだったからね!!」
「さっきは巫女だったし.............一体何着買ったんですか?」
「20着ぐらいは買ったんじゃないかな?」
「買いすぎだろ...........そんな金どこから湧いてくるんだよ。」
「え?部室のお金から買ってるんだけど............」
「はぁ!?だからその部室の金は俺の入れたお金だ!!」
「でも才君のお金でもなく、才君のお祖父さんが協力してくれたお金でしょ?それにスクールアイドルなら衣装も必要だと思うんだけどなぁ.............?」
「ぐっ—————————!」
「堕天使ヨハネ!降臨!!!!」
「やばい.........!カッコいい!!!!!」
「ご満悦ずら。」
「アンタだって東京のお菓子にご満悦なくせに!!」
「机に登らない!!」
「小学生かよ............」
机に登るって.....................少なくとも華のJKがするようなことじゃないぞ............?これが堕天使と人間の格の違い(笑)なのか———————————?
てかよく考えれば、途中から見たら俺たちの会話ってカオスじゃないか!?!?————————え?それはいつものことだって?そんなバカな.............
「善子が言ってた花丸の買ったお菓子っていうのは?」
「これずら。」
「ぴよこ万十?」
「違うずら、バックトゥザ!ぴよこ万十ずら。」
「そこ重要なのか..............?」
「マルがお土産店の試食を食べ歩いてた中で1番美味しい買ったからずら。」
「なるほど.............饅頭と万十をかけるとは........なかなかセンスがよろしいようで。」
「このバックトゥザ!ぴよこ万十、お土産にも夜食用にも買ってきたずら............あれ?夜食用がない?」
「どっかで落として................待てよ、そのパッケージどこかで...............!」
「才、それって今俺たちが食ってる饅頭じゃないか?」
「へ?」
「旅館のアメニティじゃなかったの!?」
虎太郎が冷静に食っている中、曜と梨子は素っ頓狂な声を上げる。この場合どちらの反応が正しいか読者の皆様ならわかるだろうが、明らかに後者たちである。さすがは俺がクールと認めた男だ...............たとえ自分が悪いことをしても平静を保ってられるとは...............
「マルのバックトゥーザ!ぴよこ万十〜!!!!!!!!」
「しょうがない。あのお菓子なら他のところでも売ってるんじゃないか?買ってこいよ。」
「分かったずら!もう食べちゃうずら!!お土産なんて後で買えばいいんだもん!!!!!」
「花丸ちゃん、あんまり夜に食べると太るよ?」
「まぁまぁ、ルビィ。少しくらいいいんじゃないか?」
「ダメですよ!!体重の増減はスクールアイドルにとっては死活問題なんですから!!」
「別に目に見えて太っていなければセーフだろ。」
「甘い——————甘いですよ!!才くん!!」
「う〜!!!!!!静かにして!!!集中できないでしょ!!」
「お前こそ静かにしろ!!さっきから堕天使の呪文紛いの言葉をブツブツと喋ってたら近所迷惑だろうが!!」
「これはこの堕天使ブローチを継承するための大切な儀式なの!!!」
「何だよそれは...........」
「それよりそろそろ布団敷かなきゃ............」
ルビィは押し入れに封じられていた布団を敷き出す。虎太郎もそういう所は気が利くのか、手伝いに行こうとする。
だがここで運命の悪戯か、堕天使の導いたポッドがルビィの足に引っかかる———————そう、布団を持ったまま.................
「ピ、ピギィ!!!」
「おい、バk————————!」
ドスン!
「ねぇ皆!旅館の人に聞いたら、音ノ木坂がこの近くに..............大丈夫?」
「大丈夫なわけあるかよ...............」
「取り敢えず、片付けと拭き掃除と———————
ピリリピリリ
「怪人退治だな。」
「そうだね—————————」
—————※—————
「才くん、あれ!!」
「あれは............」
『我が名はカイデン!位は70段なり!!』
自らを『カイデン』と名乗ったその怪人は嘘を言っていない。正式名称はカイデンバグスター。正直、東京に怪人が現れること自体が少しばかり疑問に思うが今そんなことを思っても仕方ない。
俺はマイティアクションXを取り出して変身準備をしようとしたところに、祝は手を出して変身準備を妨害する。
「才君、ここは私に任せてくれ。」
「え、でも。」
「私だって仮面ライダーだ。君が本気を出すほどの相手でもないのだから、私のデビュー戦の足場にさせてくれたまえ。」
「わかった。」
「いいのか?才?」
「いいんですよ、祝がどれほどの強さなのか確かめるチャンスじゃないですか。」
「では早速————————!」
≪ビヨンドライバー!≫
≪ウォズ!≫
ミライドウォッチ——————オーマジオウから賜ったウォッチにはそう書かれている。それのスイッチを押すことで俺と同じように変身準備をする。
≪アクション!≫
祝の背後には何処ぞのウォッチを思わせる未来感ある時計が映し出される。そして祝の体を多面体を覆っていく————————
「変身。」
≪投影!フューチャータイム! スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ!≫
ビヨンドライバーに投影されたライダーの顔は、変身の合図とともに展開され投影されていた装甲が一気にその長身の体に装着されていく————————仮面ライダーウォズ。
「祝え!我が魔王の御曹司を導く新たな家臣。その名も仮面ライダーウォズ!まさに生誕の瞬間である!!」
「それ自分でもやるんだ..................」
「早速持ちネタになってるな!!」
「そんな喜ぶべきことでもないと思うんだけど..............」
俺と梨子のツッコミを尻目にウォズはカイデンの振り下ろそうとした刀を華麗に振り払って、顔にパンチを入れる。ノックバックを受けたカイデンにさらに前蹴りを喰らわせる。
≪ジカンデスピア! ヤリスギ!≫
ジカンデスピアと呼ばれるその中遠距離向きの武器で、カイデンを一突きする。その威力は地面に軽くヒビを入れるくらいの威力である。それはその突いた後の置き時計のような紋章が衝撃のように伝わるシークエンスが物語っているのかもしれない。
続いて—————キック。ライダーキックを喰らわせていく。右足から繰り出されるトリッキーフォームなキックの威力は普通の前蹴りよりは遥かに高いのだろう。
いよいよ技の決まりスギでカイデンの残り体力は
「今日は明日の用意があるが故、急いで決着をつけさせてもらうよ。」
『何を——————!』
≪ビヨンドザタイム! タイムエクスプロージョン!≫
宙に暫くながら滞空してからの、横蹴りをカイデンに喰らわせる——————キックを喰らったカイデンはぶっ飛ばされる。そして置き時計の時間は急速に動き出す———————まるで死のカウントダウンをつげるかのように............
「終わりだ。」
そう言ったウォズの言葉通りにカイデンは爆発四散するのであった—————が。
「流石は伊口ファウンデーション、王直々の秘書だな。」
「!?!?」
ピクセル化したカイデンバグスターは吸い込まれていく————————ガシャコンバグヴァイザーの吸引機能によって.............だ。そしてそれを操作しているのは何を隠そう、サウザー—————その男であったからだ。
そのピクセル化から顕現したのは、またもや眼鏡をかけた男である。
「サウザー!!お前..........!」
「バグスターウィルスもここまで変異するとは..........100兆%利用価値があるのも頷ける。」
「お前...........この人にバグスターウィルスを感染させてたのか!?」
「幸いにも彼は我がオハラエンタープライズの社員だ............」
「酷い!いくら社員だからって........!」
「桜内梨子君、この私に指図する権限など君にはない。」
「だからって社員を道具のように扱うのなんて———————!」
「私の会社や社員をどうしようが私の自由だ!」
「お前には...........夢とかそんな物はないのか?」
「虎太郎............」
虎太郎の問い————————それは伝説からの問いかけと何ら変わりない。俺たちが仮面ライダーになっている理由でもある。夢の先にある輝き。そんなものを求めてスクールアイドルやってるんだ。
「フッ、君がすこし語勢を強めて何を話すのかと思えば..........私にも夢はあるのさ。ただ、君たちのと比べてより現実的で実像的なものだ。それに比べ君たちは輝きだの夢だの.............まぁ、もう全て終わった話だ。」
「何だと!?」
「どういうことだい?」
「君たち仮面ライダーもスクールアイドルも———————まとめて廃棄処分だと言っているんだ。」
「そんなことはさせない!!」
「させないさせるの話ではない。もう始まっているのだ...........................
プロジェクトTRILLIONはな!!!!!!!!」
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