滅茶苦茶怖い人だった
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第一章
滅茶苦茶怖い人だった
この時八条グループ系列のレストランのチェーン店八条レストラン梅田店では店長の黄川田康成眼鏡をかけて面長できりっとした髪型と顔立ちの長身の彼が今日からアルバイトに入ってきた女子高生の南紀子一五四センチ程の背で黒髪のショートヘアと朗らかな日に焼けた朗らかな顔立ちの彼女に言っていた。
「くれぐれも礼儀正しくです」
「お客様にはですね」
「そして親切に」
「そう対応することですね」
「そのことをお願いします」
「わかりました」
紀子は黄川田に素直に応えた。
「そうしていきます」
「どの様なお客様にもですよ」
「そうしていくのですね」
「はい、礼儀正しく親切に」
黄川田は穏やかな声で話した、そうしてだった。
紀子を見守った、彼女の働きぶりはというと。
「いいですね」
「明るくてハキハキしていて」
「礼儀正しくて」
「しかも親切で」
「はい、あの娘はです」
黄川田は店員達に笑顔で応えた。
「大丈夫ですね、ではです」
「これからもですね」
「働いてもらいますね」
「頑張ってもらいますね」
「そうしてもらいます」
注文を受ける時も正しく正確でかつ料理を運ぶのもいい彼女を見て言った、思った以上にいいアルバイトが来たと喜びもした。
そんな中でだ、店にだった。
一人の六十代位の穏やかそうな恰幅のいい男性が来た、白髪はオールバックで堂々とした顔立ちで微笑んでいる。
その彼を見てだ、黄川田は身構えたが。
ここでだ、紀子はその客のところにすっと出た。すると。
「ご注文は何でしょうか」
「えっ!?」
その紀子を見てだった。
黄川田も他の店員達も驚いた、それでだ。
黄川田は他の店員達に小声で話した。
「誰も南さんにあのお客様のこと言ってなかったのですか?」
「それが言う前にです」
「南さん出られました」
「そうしまして」
「それで」
「そうですか、しかし大丈夫でしょうか」
心から心配してだ、黄川田は紀子を見つつ言った。
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