少女は 見えない糸だけをたよりに
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13-4
連休も終わった時、お店を閉めようかと思っていたら、巧が顔を出して
「香波 もう 終わりだろう? 閉めたら、少し話せるか?」
「うん いいよ 待ってね 表 片付けて シャッター閉めるね」
巧は、スーツ姿じゃぁなくて、ジャンパーを羽織っていた。私が、巧の隣に腰を下ろすと
「帰った時 香波とのことを言ってきた。来春には、結婚するつもりだと、伝えてきた」
「うーん そーなんだ 私は うれしいけど・・ 反応は?」
「兄貴は 少し、早いんじゃあないかといっていたけど、母親と兄貴の嫁さんは、早い方がいいよと、喜んでくれた。香波だって、来年は二十歳だろー 早くはないよなー」
「そう 私は ずーと 巧の傍に居られるの 夢だったから」
「それでな、お盆休みには、連れてくるよと言ってしまったんだ 一度 会わせておいた方がいいと思って・・」
「うん いいよ 行く お会いしておかなきゃぁね」
そして、私が、帯屋の養子になることも、巧に伝えておいた。巧も少し複雑な気持ちもすると言っていたが、どっちみち、結婚すれば赤嶺になるんだから・・。
そして、お父さんは、私を自分の籍に入れるように手続きを進めて、私は帯屋香波になったのだ。その夜、軽く、家族揃ってお祝いをしてくれた。
お父さんは、娘になってくれたお祝いだといって、分厚い金のネックレスを私の首につけてくれたのだ。
こんなのする機会も無いからと思っていたけど、お父さんは値打ちが下がるもんじゃぁないから、持っていなさいと、冗談半分に言ってくれたのだ。
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