ハッピークローバー
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第二十八話 心地よくない朝その十一
「ですから」
「それでなんだ」
「出させてもらいます」
「ううん、悪いね」
「悪くないです、お世話になったなら」
それならというのだ。
「もうです」
「こうしたことはなんだ」
「しないと駄目ですから」
「図々しいのってよくないですよね」
理虹は果物を切りつつ言った、富美子は一華と共に雑用をしている。
「そうですよね」
「いや、皆子供の頃からうちによく来てるし」
一華の父はそれでと話した。
「遠慮とかはね」
「いらないですか」
「今更そんなこと言う間柄かな」
「親しい仲にも礼儀ありですよね」
「そう言うんだ」
「ですから」
見れば他の面々も同じ顔である。
「させて下さい」
「そうなんだね」
「図々しい奴って嫌ですよね」
富美子は食器の用意をしつつ話した。
「やっぱり」
「まあそれはね」
一華の父も否定しなかった。
「見ていてね」
「そうですよね」
「人間としていいものじゃないよ」
「私達だってそう思いますから」
だからだというのだ。
「図々しいことはです」
「嫌なんだね」
「はい」
絶対にというのだ。
「ですから」
「今やってくれてるんだ」
「そうなんです」
「あれですよね」
かな恵はメインで動きつつ言った。
「例えば今日行くって三時位に了承得ないで六時に来てご飯四杯食べてお風呂入って泊まって」
「そうして朝はなんだ」
「ご飯作らせてまた三杯は食べるとか」
「それはまた図々しいね、親戚の家でもね」
「するものじゃないですね」
「そこに自分の親がいてもね」
それでもというのだ。
「流石にね」
「そうですよね」
「一体どんな人生を送ってきたのか」
そこまでというのだ。
「思うよ」
「おじさんもそうですよね」
「だからなんだ」
「嫌いますよね」
「そんな人は嫌われるよ」
絶対にとだ、一華の父も言った。
「図々しい、厚かましいにも程があるからね」
「そうですよね」
「本当に」
まさにというのだ。
「それで平気でいるのなら」
「嫌われますね」
「人の家何だと思ってるのかってね」
例えそれが親戚でもというのだ。
「なるよ」
「そう思われるとお付き合い自体したくなりますね」
「例え兄弟でもね、幸いおじさんにそんな兄弟姉妹いないけれどね」
「叔母さん謙虚だしね」
一華は父の息子で自分から見るとそうなるその人の話をした。
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