ヘタリア大帝国
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TURN49 騎士と海賊その八
「エイリス人でも貴族と平民があり」
「そしてさらにですね」
「そうです。植民地民にも階級があったりしました」
エイリス統治の特徴だ。階級を設けて分割統治をするのだ。そのうえで現地民の間の対立を煽って漁夫の利を得ることもしてきた。
ネルソンはこのことを否定的に見てきた。だからこう言うのだった。
「残念ですが」
「しかし太平洋ではです」
「インド洋も含めてですね」
「それはありません」
「そして各国もですか」
「はい、平等です」
議長国の持ち回りに代表される様にだというのだ。
「そうなります」
「そうですか。平等ですか」
「どの人も国もです」
「わかりました」
自分が見てきたものと帝が話すことは同じだtった。それがわかったのだ。
それからだ。ネルソンは帝の前から一旦退いた。その上で暫し考え。
東郷の前に出た。それでこう言ったのである。
「及ばずながら」
「参加してくれるか」
「はい、そうさせて頂いて宜しいでしょうか」
「ああ、こちらこそ頼む」
東郷は微笑んでそのネルソンに応えた。
「客員提督になるか」
「日本軍でしょうか。それともインド軍でしょうか」
「どちらでも選んでくれ。とにかくだ」
「これからはですね」
「そうだ。君も太平洋軍の提督だ」
「そうなりますね」
「ではこれから宜しくな」
東郷は微笑みと共に手を出した。それと共にだった。
ネルソンも手を出して握手をし合った。こうして太平洋にまた素晴らしい人材が加わったのである。
ネルソンも加えた太平洋軍は今度はセーシェル、マダガスカルへ兵を進めようとした。だがその直前にだった。
アラビアに集結する彼等に突如として襲撃が来た。それはというと。
「これは」
「知っているのか?」
「はい、北欧連合軍の艦です」
エルミーはモニターに映るその艦隊を見て東郷に話す。
「今はドクツ領になっていますが」
「あの国々か」
「そういえば各国で謎の海賊が出没していましたが」
「この連中じゃないのか?」
東郷はこう推測した。
「北欧というとバイキングだからな」
「確かに。しかも北欧連合からアルビルダ王女がアイスランドさんと共に姿をくらましています」
「じゃあ間違いないな」
「あの戦艦もです」
敵艦隊の中心にいるその戦艦もだった。
「アルビルダ王女の乗艦です」
「証拠は揃ったな」
「はい、間違いないかと」
エルミーは確かな声で東郷に話した。
「アルビルダ王女とアイスランドさんの艦隊ですね」
「バイキング艦隊か」
「どうされますか?」
エルミーはあらためて東郷に問うた。
「ここは」
「海賊を放っておく訳にはいかない」
東郷は軍の海賊に対する当然の考えを述べた。
「だからだセーシェルへの出撃前にだ」
「まずは彼等をですね」
「何とかしておこう。それではだ」
「はい、それでは」
秋山が応える。そうしてだった。
すぐにそのバイキング艦隊について調べられる、まずはその艦艇と規模だった。
「どれも北欧の旧式艦艇です」
「旧式か」
「世代的には第二世代ですね」
精々そうしたところだというのだ。
「王女の戦艦とアイスランドさんの戦艦は違いますが」
「それでも殆どは旧式艦か」
「そうです。規模は四個艦隊です」
秋山は今度はその艦隊規模も話した。
「数としてもです」
「大した数ではないな」
今の太平洋軍から見ればだ。本当に大した数ではなかった。
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