超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~
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第十一話 学校の生徒から自殺者で出た時点であらゆる教育機関の授業は全国リモート授業にしろ!生徒の中から度重なる自殺者を出すような教育機関で行われる「教育」とは果たして本当に「教育」と呼べるのか?登校拒否児童を無理やり登校させ死なせるか?それても引きこもらせて、かけがえのない命を救うのか?ただこれだけは確かである、死んでしまった命を「教」え「育」むことは誰にもできない!
次の日、学校に登校すると朝のホームルームで転校生の紹介があった。
転校生の少女の名前はメシア。
メシアの容姿を日本語で表現するとずばり美少女である。そんな美少女メシアの席は俺の隣で、メシアは俺の目も見ずにいきなり小声でそっと呟く。
「あなたには誰にも言えない秘密がありますね…六つのタケヒコ…三人の魔女…」
なぜメシアが俺の悩みを知っているのだろうか?
俺の心は足元が崩れそうになる恐怖とやっと自分の悩みを他人に相談できそうな期待感の両方を感じていた。
放課後、俺の携帯にメシアからメールが来ていた。俺はメシアにメールアドレスを教えたことは一度もないというのに。
その疑問を解明するためにも俺はメシアからのメールの内容通りに屋上に向かう。
頭上に茜色の空が広がっている。
放課後の屋上のフェンス越しにはメシアが立っていた。
「ごめん…待たせたね。それで話って何?」
「話があるのはマサヒロ君の方では?」
「そうだ!メシアはなぜ俺のメールアドレスを知っているんだい?」
「メールアドレス?ああ…そういうことですか…正確に言えばメールアドレスではなく終末黙示録と言った方が正しいですね」
「終末黙示録?」
「そうです、終末黙示録。私は終末黙示録というこの世界の始まりと終わりが記された本の全ての情報と一つになりマサヒロ君の携帯にメールしました。どうやら…本当に全てを忘れてしまったようですね…」
「忘れてしまった?終末黙示録?君はさっきから一体何を言っているんだい?」
「とにかく、それ以外に私がマサヒロのメールアドレスを知る方法がありますか?」
確かに今日この高校に転校してきたばかりのメシアが俺のメールアドレスを知る方法は信じたくないけれど、終末黙示録とやら以外考えられない。
「マサヒロは今は悩みを抱えていてる。血のつながらない妹を守る為とはいえ、自分の父親タケヒコを殺してしまった罪悪感。そして自分の犯した過ちのせいで血のつながらない妹とその血縁者達を証拠隠滅に巻き込んでしまったこと。そしてその者たちと体の関係をもってしまったこと…」
「君はいったい何者なんだ?ボクを脅してお金もうけでもするつもりかい?」
「私の名はメシア…その名の通り救世主です。間違った種から地球の平和を守る断罪王を導く者…」
「断罪王…?」
激しい頭痛と同時に俺の目の前は真っ暗になる。
気がつけば今度は風呂に入っていた。風呂の湯には使い終えたと思われるピンク色の避妊具が五つ浮いていた。
「お母さんから聞いてたけど、キミって案外すごいんだね」
サナエ義姉さんがシャワーで体を洗いながら避妊具が五つ浮かぶ湯につかる俺に向けて言う。
「ええ…まぁ…でも…どうして…」
「どうして?細かいことはいいのよ、とりあえず嫌なことがあったら気持ちいいことして全部忘れちゃえばいいのよ」
「そうだ…気持ちいことして全部忘れてしまえば…でもサナエ義姉さん…父さんは…いや、タケヒコはあの時…自分が気持ちよくなるためにユーコを…ユーコを…」
「浮気者!」
気付けば浴室には右手に包丁を持ったパジャマ姿のユーコが入ってきていた。
「ユーコ…えっとこれは…」
「サナエお姉ちゃん言い訳しても無駄だよ…声、上までちゃんと聞こえてたんだから…というかお風呂に浮かんでるソレでバレバレだし…なによ私の時よりも使ったゴム多いじゃない!お義兄ちゃん!」
「は…はい!」
「お仕置き…だね…」
次の瞬間、俺は下腹部に強い痛みを感じると同時に風呂の湯が真っ赤に染まった。
「ユーコ!よしなさい!」
サナエの静止もむなしくユーコは包丁で俺の身体のあらゆる部位を切り裂いていく。
「お義兄ちゃんが悪いんだからね…お義兄ちゃんがタケヒコを殺したせいでこうして人肉をバラバラするの癖になっちゃったんだから!」
泣きながら笑って俺を包丁で切り裂くユーコ。そして風呂の鏡を見ると、なぜかそこにはいないはずのメシアが鏡の中で何か俺に向かってなにか喋っている。
「シ…ン…ゴ…」
「ちょっとユーコちゃん!なにやってるの!そんなことしたらマサヒロ君死んじゃうわよ!」騒ぎに駆け付けてきたヨウコさんが包丁で俺を切り裂くユーコを俺から引き離そうとする。
サナエ義姉さんは浴室で尻もちをついたまま失禁してしまっていた。
そして俺はメシアに言われた通りに叫ぶ。
「シンゴォォォォォォォォッ!」
次の瞬間、浴室内の鏡をぶち破って出てきた断罪王の巨大な手が俺の体を掴んだ。
*
気がつけば俺の目の前には巨大サンゴ礁、あの後妻業もどきのキンカイが進化したサンゴ礁型のアンノウンが放出する粒子が原因で炎の海と化したつくば市が広がっていた。
「なるほど…さっきの幻覚が貴様ら三人の過去ということか…ククク…銀装天使とは名ばかりに義父に義兄、人を二人も殺めているとはな…貴様らに殺されたマサヒロと俺の名前がたまたま一致していたせいで殺された方の石川マサヒロの過去を追体験させられてしまっていたようだな…なかなか刺激的で強烈なビジョンだったぜ!」
メシアが殺されてしまったほうのマサヒロの通っていた高校の転校生としてあの三人の過去に干渉してくれなかったら俺は自らの放った相手の過去に干渉する断罪フラッシュにより魂の抜け殻になっていたかもしれない。
断罪王と化した俺の目の前には断罪王に向かって一斉攻撃するダネル・アラキバ・ベガの三体の銀装天使がまるで時間を止めたように静止していた。
しかし、時間を止めようと止めまいと断罪王には意味のないことだ。
俺は時間停止を解いた。
俺に、断罪王に向けて無数のミサイルやビームが直撃した。しかし断罪王に直撃したミサイルもビームも断罪王の体に吸収されてしまう。
「そんな…攻撃が吸収された…一体何がどうなってるんだ」
ダネルのパイロットであるヨウコが断罪王の力に驚愕している隙に俺は超高速移動でダネルを背後から断罪王で抱きしめた。
「サナエお姉ちゃん!ヨウコお姉ちゃんが捕まっちゃった!」
「言われなくてもわかってる!」
サナエはアラキバを高速移動させてダネルを抱きしめている断罪王の背後に超至近距離で無数のミサイルを一斉発射させた。
しかしアラキバの放ったミサイルは全て断罪王の背中に溶けていくように吸収されてしまった。
そして断罪王の背部装甲がドアが開くように縦に解放されると無数の触手がダネルとアラキバを捕らえ、コックピットを突きやぶってヨウコとサナエに接近してきた。
「ちょっとあんたお姉ちゃん達に一体何する気?」
ユーコは断罪王の背部装甲が開いている部分、無数の触手が放出している部分にほぼゼロ距離でベガの大型バスターライフルを最大出力で発射しようとした。
しかし断罪王の背部から放出される無数の触手はベガの大型バスターライフルそのものを貫き爆砕すると、そのままベガのコックピット内に侵入してしまう。
ダネル・アラキバ・ベガ、地球の平和を守るために結成された至高天に属す三体の正義のスーパーロボットのパイロット達は断罪王の触手に捕らえられ、その触手がパイロットスーツを破ってパイロットスーツの内側からヨウコ、サナエ、ユーコの体内に侵入してしまった。
「ちょっと何よコレ…ダメ!変なところ触らないでっ!」
ヨウコはパイロットスーツの内側から侵入してきた断罪王の触手の感触に不快感とどこか懐かしい高揚感を覚える。
アラキバに侵入してきた断罪王の触手はサナエの全身をパイロットスーツの内側から捕らえ支配する。
そして一本の触手がサナエの目の前で動きを止め、その形を変えていく。
「う…嘘でしょ…」
一方、ユーコの搭乗するベガのコックピット内でもアラキバのコックピット内で行われているのと同じ現象が起きていた。
「ダメ!お願い…お願いだから…それだけはやめて!」
サナエと時と同じくユーコの目の前で一本の触手が形を変えていく。
真っ赤なお風呂、サナエの失禁、ヨウコの悲鳴。
そう、触手はユーコに快感と絶望の両方を与えた忘れたくても忘れられないあるものに変形していく。
それがこの世からなくばればそれこそ人類は滅んでしまうに違いない神聖な槍に。
「おちん●ん…」
*
ユーコがそうつぶやいた次の瞬間、ユーコは自分が殺した義兄が立っている白い部屋の中にいた。ユーコも義兄も全裸だった。
「久しぶりだねユーコ」
「久しぶりお義兄ちゃん…私っ!」
「そうだ、ユーコは人殺しだ。人殺しの癖に至高天に入って銀装天使を操縦してアンノウンから人類の平和を守ってる。ユーコは人殺しの癖に自分のことを正義の味方だと思ってる頭のおかしい腐女子。ユーコは卑怯者だよ、俺のことを殺したくせに、正義の味方面して何にもなかったかのように今も生活している」
「なによ!悪いのは浮気したお義兄ちゃんでしょ!確かにお義兄ちゃんは私がタケヒコに変なことされそうになったとき助けてくれた、殺してくれた!その時からお義兄ちゃんはわたしの中で白馬の王子様になった。そしてそれと同時に私はお姫様になったの!王子さまはお姫様のことだけを大切にしなきゃいけないの!どんなおとぎ話でもそうよ!でも白馬の王子様であるはずのお義兄ちゃんは私を裏切った!お姫様が寝ている間に他の女と…サナエお姉ちゃんとセッ●スしてた!だからお姫様を裏切った王子さまは死刑にされて当然なのよ!」
「サナエさんだけじゃなないよ…ヨウコさんともセッ●スしてたよ」
義兄の告白を聞いたユーコは正面から憤怒の形相で義兄の首を両手で思いっ切り絞める。
「サナエさんはユーコより上手だったし…ヨウコさんはゴムなしでもしてくれた…」
ユーコは義兄の首を絞める手に先ほどよりも力を込めた。それでもユーコに殺されたはずの義兄は薄ら笑いを浮かべて笑っている。
「どうしてよ…どうして死なないのよ!」
「俺が死んで君はスッキリしたのかい?」
「するわけないでしょ!大好きなお義兄ちゃんを殺してバラバラにしてから私は何度も泣いた、泣いて泣いて泣いてお義兄ちゃんの代わりの人を見つけては何度も交わった。でも私の心にお義兄ちゃんは戻ってこなかった。死んだ人間は生き返らないんだってことがよくわかった。だから私は教祖様に全てを捧げて至高天に入った。そして人類のために銀装天使でアンノウンと戦うことを決意した」
「でも無駄だよ、ユーコみたいな人殺しのクズには誰にも救えない。ほら、現に今もこうしてユーコは俺をもう一度殺そうとしている」
コキという音と同時にユーコに首を絞められていた義兄は白目をむいてしまった。
「お…お義兄ちゃん…また…死んじゃったの…?」
義兄の死を悟ったユーコは義兄の首から手を離す。義兄の体はなんの抵抗もなく地面に仰向けのまま倒れた。
「俺はユーコのことが好きだった…」
義兄の死体がいきなり話し始めた。
「俺はユーコのことが好きだった。ユーコを守るためなら世間から人殺し扱いされても構わないと思った。だから俺は血のつながらない妹の命を守るために血のつながっている父親を、タケヒコを殺した」
「結局、俺もユーコも人殺した。人間のクズだ…」
「なにが…言いたいのよ…」
地面にしゃがみ込んだユーコが何度、義兄の体をゆすっても義兄が目を覚ますことはなかった。ユーコはもう義兄の体をゆするのをやめた。
「さようならマサヒロお義兄ちゃん…」
ユーコはまだ自分の体にもう一つの命が宿っていることを知らない。
次回予告
第十二話パワハラ野郎の特徴。大多数の固定観念に囚われ、同調圧力に屈した結果、家庭を持ち、家庭を守るという理由がなければ自分の人生に意味を見出すことができず、結果的に会社に自分を含めた家族の未来を人質に取られ、自分の精神が社会生活に追い詰められていることを知りながらも家庭を持ってしまったが故に逃げる場所もない。そしてそういった連中の怒りの矛先は当然、自分より立場の弱い人間になり、自分より弱い立場の人間に理不尽な怒りをぶつけることでしか自らの精神状態を安定させることができない。
後書き
次回もお楽しみに!
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