ドリトル先生のダイヤモンド婚式
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二幕その五
「尚更いいよ」
「そうだよね」
「それでだよね」
「先生余計に食べるんだよね」
「ナポリタンをね」
「日本人は少食な人が多くて」
先生はこのことは残念そうに言いました。
「どうしてもね」
「お店で出るもの少ないよね」
「ボリュームがないよね」
「イギリスと比べても」
「どうしても」
「そうだけれどね」
それでもというのです。
「この学園の食堂は違うけれどね」
「そうだよね」
「ボリュームあるよね」
「そのこともいいよね」
「そう、だからね」
食べながら笑顔でお話します。
「僕はとても嬉しいよ」
「この食堂で食べることが」
「ナポリタンにしても」
「そうだね」
「心からね、じゃあ皆でお昼を楽しんだら」
それからもというのです。
「また学問を楽しもうね」
「そうしましょう」
「やっぱり先生は学問だよね」
「学問を楽しんでこそ先生だよ」
「日々学問を楽しんでこそね」
皆も笑顔で応えます。
「そして僕達はその先生を見る」
「そのうえで周りのことをする」
「それが僕達のお仕事だからね」
「周りのことは任せてね」
「全部ね」
「いつも悪いね、皆がいてくれたら」
ここでついついこう言ってしまった先生でした。
「結婚しなくてもいいからな」
「そこでそう言わないことだよ」
「全く、すぐにそう言うんだから」
「結婚は無理だとか縁がないとか」
「それでしなくてもいいとか」
「そう言うんだから」
「いや、皆がいてトミーがいて王子がいて」
それでというのです。
「お友達も一杯いてサラだってよく来てくれるから」
「いいんだね」
「それで満足なんだね」
「しかもお家があって」
「お仕事もあって」
「学問も出来るから」
「だからね」
満ち足りたお顔でのお言葉です。
「本当にね」
「今で満足」
「何の不満もない」
「そうだっていうんだね」
「そうだよ、僕はこれ以上は求めないよ」
そうだというのです。
「本当にね」
「無欲なのはいいけれどね」
「先生の美徳の一つだよ」
「そのことば僕達も思うよ」
「いいことだよ」
「けれどね」
「結婚のこともね」
このこともというのです。
ページ上へ戻る