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レーヴァティン

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第二百五十三話 蝦夷が収まりその十一

「C=W=ニコルさんが言うてたわ」
「学者であり格闘家のな」
「あの人がな」
 この人はウェールズ出身であったのだ、日本人国籍を習得しているが産まれたのはその国であるのだ。
「そう言ってたわ」
「ウェールズ語は消えたとな」
「もう使われてへんからな」
「英語が使われている」
「そうなってな」
「そうしたことがありな」
 起きた世界ではというのだ。
「この世界でもだ」
「そういうことがあるな」
「確かに言葉や文字が一つなら便利だ」
「意思の疎通にな」
「何かとな、だからバベルの塔でも言われた」
 聖書にあるこの話でもというのだ。
「神は自分の場に来ようとする人間の傲慢に怒りだ」
「その為に築いてる塔を築いたわ」
「その塔を雷で破壊してだ」
「人間の言葉を無数に分けてな」
「互いに意思疎通が出来ないかしにくくした」
「そう書いてあるな」
「調べるとまた違うが」 
 聖書に書いてある通りではなくそれぞれの地域や人種等によって変わっているのだ。
「そうした話が出るまでにだ」
「言語が違うっていうのは難儀や」
「全くだな」
「そやからこの世界では言語は統一された」
「文字もな」
「文献も全部や、それでもな」 
 そうはなったがというのだ。
「その分や」
「消えた言語が多い」
「間違いなくな」
「使われなくなりな」
「それぞれの言語の本もあるけどな」
「翻訳もされているな」
「ああ、しかしやな」
 耕平は英雄に問うた。
「言語は使われてこそやな」
「生きていてな」
「そうやないとな」
「消える」 
 そういうものだというのだ。
「例えばだ」
「何や」
「事実李氏朝鮮ではハングル文字が生み出され」
 世宗という王の命で民が楽に使える文字として生み出されたのだ。
「長い間使われずだ」
「殆ど忘れられてたな」
「識字率は四パーセント程だった」
 その程度であったのだ。 
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