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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第一幕その六

「彼等にとってはね」
「ふわりはおもちゃで」
「だからね」
「最後は捨てたんだね」
「鳴き声が五月蠅いってね」
 そう言ってというのです。
「どんな生きものもずっとケージに入れていたら」
「出して欲しいしね」
「ふわりは居場所を言っていたんだよ」
「自分はここにいるって」
「あと赤ちゃんが泣いたこともね」 
 このこともというのです。
「知らせていたけれど」
「そんなことは考えもしないで」
「五月蠅いからね」
「保健所に捨てたんだね」
「いらなくなったおもちゃだから」
 それでというのです。
「そうしたんだ、けれど心ある家族がふわりを引き取って」
「あの夫婦の親戚の」
「それでユーチューブの動画で人気が出たら」
「自分達に返せだね」
「いらなくなったおもちゃがまだ遊べると思って」
「返せだね」
「そうだよ、そしてそれはね」
 このことはというのです。
「ふわりだけじゃなくて」
「自分達の赤ちゃんも同じで」
「それでね」
「下の赤ちゃん、新しいおもちゃが手に入ったら」
「ほったらかしになったんだね」
「飼育放棄も許されないよ」
 先生は彼等がふわりにしたことを咎めました。
「けれど犯罪じゃないね」
「残念ながらね」
「けれど育児放棄はね」
「虐待でね」
「立派な犯罪だから」 
 それでというのです。
「今度こそね」
「罪に問われて」 
 そうなってというのです。
「仕事も子供もなくて」
「それでよね」
「そう、そしてね」
「そのうえで」
「何もなくなって誰からも相手にされなくなって」
「お酒だけ飲む様になって」
「そしてね」 
 そのうえでというのです。
「もう廃人だよ、長くないよ」
「お酒で死ぬのかな」
「絶対にね、起きてから寝るまでずっと飲んでいるそうだから」
「ああ、それ駄目だね」 
 王子もお話を聞いてわかりました。
「確実にね」
「長くないね」
「僕も思うよ」
 その様にというのです。
「本当にね」
「そうだね、どう見ても」
「何かね」 
 お話を聞いた老馬が言いました。
「全然同情出来ないね」
「助けようとも思わないね」
 ホワイティも言います。
「あの人達は」
「あんまりにも酷いから」
 ジップも言いました。
「だからね」
「自分達しかなくて他の誰も何とも思ってないからね」
「そのことがわかるから」
 チープサイドの家族も言いました。 
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