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八条学園騒動記

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第六百六十二話 気付けば二本その十六

「百万部以上発行しておる雑誌だとな」
「真実になるんですね」
「ゴロツキの行いもな」
 そう言うしかないものもというのだ。
「正しいとゴリ押しすればな」
「そうなるんですね」
「そうであったからな」
「ずっと問題にならなかったんですね」
「おかしいと思う人はおってもな」
 それでもというのだ。
「それが広く出ることはじゃ」
「なかったんですね」
「それが嘘じゃ」
 博士は言い切った。
「マスコミを使ったな」
「真実だって強引にしてしまう」
「正しいとな」
「酷いやり方ですね」
「そうじゃな」
「はい、いきなり人にケダモノ言うとか」
 その姿をその目で見た瞬間にである。
「屑もいいところですよ」
「その屑を正義感にするにはな」
「百万部以上発行のゴリ押しですか」
「そうじゃ」
「もうそれって権力ですよね」
「その通りじゃ」 
 博士はまさにと答えた。
「マスコミは権力じゃな」
「第四のですね」
「そして一番力を持っておった」
「立法、行政、司法よりも」
「当時はな」
「だからやりたい放題で」
「そんな出鱈目もな」
 そう言うしかない行動もというのだ。
「まさにじゃ」
「正義になったんですね」
「そうなのじゃよ」
「それでその漫画もですか」
「ずっとじゃ」
 連載されている間のかなりの期間というのだ。
「正義であった」
「そんな下品な野蛮人がですね」
「短気で下品で野蛮な奴が正義を語るとな」
「独善的になりますね」
「そこに教養がないとな」
 それならというのだ。
「尚更じゃ」
「独善的な正義ですね」
「それで暴走もするが」
「正しいことをしていると言っても暴走したら」
 それこそとだ、野上君は答えた。
「正義ではない」
「そうじゃ」
「そうですよね」
「わしは最初から正義なんぞ興味はない」
 博士は何でもないという口調で答えた、答えつつコーヒーを飲み終え野上君との話への専念に入った。 
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