八条学園騒動記
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第六百六十二話 気付けば二本その十二
「批判が起こってな」
「当然ですね」
「尚この町長は街頭演説をしてな」
その時にというのだ。
「見ている人を見て監視されているとな」
「言ったんですか」
「そうな」
「陰謀論ですか」
「それを言っておった」
「どうせ影の世界政府とか一万人委員会とか」
「そうした類に見張られておるとじゃ」
その様にというのだ。
「言っておった」
「それで電波ですよね」
「その電波を出してな」
そうしてというのだ。
「語らせておった」
「洒落になってませんね」
「そして単行本の表紙はな」
博士はこちらの話もした。
「壊れた原発じゃ」
「もう火に油注いでますね」
「それで批判どころか炎上してじゃ」
そうしてというのだ。
「その結果じゃ」
「どうなったんですか?」
「連載が消えた」
「終わったんじゃなくて」
「以後雑誌に載らなくなってじゃ」
そうしてというのだ。
「単行本もな」
「出なくなったんですね」
「そうなったのじゃ」
「そうですか」
「まことに酷い漫画であった」
「本当に信じたら馬鹿になりそうですね」
「そうであった」
実際にというのだ。
「それが大ヒットしたのじゃ」
「酷い話ですね」
「しかし大ヒットしてな」
そうなってというのだ。
「ネットが出てじゃ」
「そこで、ですね」
「大ヒットの裏での出鱈目が検証されてじゃ」
「明らかになったんですね」
「殆どの作品は検証すればおかしなところがあるが」
しかしというのだ。
「それでもじゃ」
「その漫画はですか」
「おかしなところばかりじゃった」
「そんなに多かったんですか」
「原発以外もハウス栽培でも出鱈目でな」
ビニールハウスを使用した農業だ、この技術はこの時代では大いに発展して人類の農業を支えている。
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