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オズのホボ王子

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第十二幕その五

「そうしたものだよ」
「そうなんですね」
「ではね」
「その軟膏を身体に塗って」
「泳ぐかい?」
「それじゃあ。ただ」
 ここでジョージは少し考えて言いました。
「軟膏を塗るといっても」
「身体全体ですか?」
「それだと水着になりますね」
「着たままで泳ぐのと」
「そうですよね」 
 ジョージだけでなく恵梨香達四人も言います。
「そうなりますよね」
「それじゃあやっぱり水着が必要なんじゃ」
「ちょっと水着お借りしないと」
「それなら」
「借りてきますね」
「そう思うでしょ」 
 ここでオジョが笑って言ってきました、見れば後ろにラングイデイア姫とユフ王家の人々が場に入ってきています。
「それがなんだ」
「お鼻に塗るだけでいいのよ」
 ベッツイも言ってきました。
「軟膏は」
「そうするだけですか」
「お鼻に塗るだけですか」
「それだけでいいんですか」
「そうしたら地面の中で泳げるんですか」
「服を着たままで」
「そうよ」
 トロットが答えました。
「だからすぐにでも泳げるわ」
「僕達だって泳げるんだよ」
 臆病ライオンが楽しそうに言ってきました。
「そうしたらね」
「潜れるしね」
 腹ペコタイガーはこちらも出来るとお話しました。
「とてもいいよね」
「私だって泳げるしね」 
 ビリーナは自分のことをお話します。
「嘴の上に塗ったら」
「泳ぐなら塗りなさいよ」
 ガラスの猫はジョージ達に右の前足を振りつつお話しました。
「そうしたらいいから」
「そうそう、地中で泳ぐのもいいものよ」
 エリカはこう言いつつ地面を見ています。
「お水の中とはまた違った趣でね」
「僕はもうドロシーに塗ってもらったよ」
 トトはそうでした。
「だから今から準備体操をして泳ぐけれどどうかな」
「さて、泳ごうか」
 ハンクもその気になっています。
「今からね」
「ほっほっほ、では泳ごうか」
 リンキティンク王はもうその気です。
「軟膏を塗らせてもらうぞ」
「そうですね、では僕も」
 王子は王がそう言うならと続きました。
「塗りますね」
「そうするのう」
「はい、これから」
「軟膏の効果が切れたら自然と地表に出るからね」
 ノーム王のカリフ氏はこのことをお話しました。
「安全だよ」
「そうなのか」
「そう、しかも地面で汚れないから」
「そうなのじゃな」
「あとあがろうとても」
 その時もというのです。
「自然にだよ」
「あがれるか」
「そうしたとても安全な泳ぎが出来るから」
 だからだというのです。 
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