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八条学園騒動記

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第六百六十二話 気付けば二本その一

                気付けば二本
 博士は朝食を食べ終えた、その時にこう言った。
「完食したのう」
「ええ、いい食べっぷりでしたよ」 
 野上君は微笑んで応えた。
「それにシャンパンもです」
「飲んだのう」
「二本空けてますよ」
「そうなのか」
「そちらもよく飲まれましたね」
「いやあ、美味かった」
 博士は野上君に笑って応えた。
「シャンパンもな」
「それで二本ですね」
「連合では朝から飲まんがな」
「それはエウロパですね」
「連合では朝酒はエウロパ酒と言うのう」
「絶対にやってはいけないことですね」
「エウロパと名が付くとな」
 連合の敵であるこの国のだ。
「そうなるとな」
「連合じゃ絶対に否定されますからね」
「それでじゃな」
「僕もしないです」
 野上君は強い声で語った。
「朝から飲むなんて」
「そうじゃな、野上君も」
「朝飲むのはお茶です」
 ウィンナーコーヒーを飲んで食後の一時を満喫している博士に話した、もう他の食べものや飲みものは家事用ロボット達に収められて食器洗いもはじまっている。
「僕は」
「そうじゃな」
「朝のお茶は最高です」
 野上君はこうも言った。
「お酒はです」
「飲まんのう」
「絶対に」
「そうであるな」
「エウロパじゃ朝からビールですね」
「食欲がないとな」
 その時はというのだ。
「ビールに生卵を入れてじゃ」
「飲むんですか」
「それが朝ご飯になる」
「そうですよね」
「ビールは飲むパンであるからな」
 アルコールはあるが栄養面から考えると同じ様なものであるのだ。
「それでじゃ」
「朝ご飯にもしますか」
「そうなのじゃよ」
 エウロパではというのだ。
「特にドイツではな」
「そうなのじゃな」
「しかし連合ではのう」
「絶対にないですね、食欲がなかったら」
 その場合はというと。 
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