イベリス
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第五十六話 犬も太るのでその五
「一緒に暮らしていきましょう」
「わかったわ、だから太り過ぎにもなのね」
「注意しないとね、多少太ってもいいけれど」
それでもというのだ。
「太り過ぎはね」
「犬にもよくないわね」
「日本人は実は痩せ過ぎの方みたいだけれど」
世界的にはそうである、日本仁全体の肥満度はかなり低い。極端に肥満している人がいても僅かである。
「多少太ってもいいけれど」
「流石に太り過ぎは駄目ね」
「そうよ、ちなみに力士さんは実はね」
「あまり太ってないのよね」
「脂肪があってもね」
肥満の象徴のそれがだ。
「それは皮一枚でね」
「その下は筋肉よね」
「分厚くて頑丈なね」
「稽古で身に着けたものね」
「そうよ、身体全体がそうした筋肉で覆われていて」
そうなっているのだ、力士達は。
「骨も頑丈なのよ」
「だからあの体格なのね」
「そうよ、体重が重いのも」
このこともというのだ。
「筋肉と骨のせいよ」
「脂肪じゃないのね」
「ただ食生活が凄い人が多くて」
母は咲にこのことも話した。
「食べるだけじゃなくてお酒もね」
「飲むのね」
「食べる量も桁違いで」
力士は食べることも仕事なのでそうでなければならないのだ。
「それでお酒もね」
「凄く飲むから」
「身体壊しやすいのよ」
「そうなのね」
「若くして亡くなる人が多いのは」
「お酒ね」
「糖尿病や内臓壊してって人が多いのは」
それはどうしてかというと。
「極端な食生活とね」
「お酒の飲み過ぎね」
「それに注意しないと」
さもないと、というのだ。
「力士さんによくあるね」
「今お話している若死にね」
「そうなるの、あの体格にはね」
「そうした危なさもあるのね」
「そうなの、太り過ぎかというと違うけれど」
力士の身体はだ。
「無茶な食生活も危ないのよ」
「身体によくないのね」
「そう、それで太り過ぎもね」
こちらに話を戻した。
「やっぱりね」
「よくないのよね」
「お腹が膝まで垂れ下がる位の人いるでしょ」
「物凄く肥満した人ね」
「日本では確かに少ないけれど」
それでもというのだ。
「あそこまで太るとね」
「危ないわね」
「そうよ、アメリカで太っている人が出世出来ないっていうのは」
肥満が社会的に深刻な問題となっているこの国ではというのだ。
「あまりにも太り過ぎてよ」
「危ないからなのね」
「満足に動けなくなっていて」
そうしてというのだ。
「健康も心配な位だとね」
「出世出来ないのも当然なのね」
「自分の健康管理も出来てないというのが理由らしいけれど」
「命の危険もある位なら」
「出世出来ないのも当然でしょ」
「ええ、満足に動けなくて」
あまりにも肥満してだ。
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