| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十五話 満足している姉その四

「あそこインディカ米でしょ」
「ああ、イタリアはね」
 富美子も言われて頷いた。
「そうだったわね」
「ジャポニカ米って少数派でしょ」 
 日本で食べられている米はというのだ。
「そうでしょ」
「世界的にはね」
「タイ米もカルフォルニア米もインディカ米でね」
「中国もよね」
「チリとかエジプトはそうだけれど」
 こうした国々の米はというのだ。
「日本人が植えたからね」
「だからジャポニカ米ね」
「そう、世界的にはね」
「インディカ米が主流ね」
「インディカ米でお茶漬けはね」
 例えそれが湯漬けでもだ。
「美味しくないみたいよ」
「あくまでジャポニカ米で食べるものね」
「そう、それでね」
「それで?」
「お湯もよ」 
 これもというのだ。
「あっちは硬水でしょ」
「お水の質違ったわね」
「だからお風呂に入っても違うっていうしね」
「お水が違うとね」
「イギリスなんてそのせいでね」
 水質が日本とかなり違っていてだ。
「食器は洗ったら洗剤をタオルで拭く」
「それイギリスの子言ってるわ」
「シャワーだってね」
「基本お風呂には入らなくて」
「それで身体を洗ってもね」
「泡をタオルで拭いて終わりね」
「バスタオルでね」
 それがイギリスの食器の洗い方でありシャワーの入り方であるのだ、こうしたことも国それぞれであるのだ。
「あんたも知ってるわね」
「だってうちの学校はね」
 富美子はまたこう言った。
「そもそもお姉ちゃんもでしょ」
「幼稚園からずっと八条学園よ」
「だからよく知ってるでしょ」
「それで言ってるのよ」 
 今そうしているというのだ。
「実際にね」
「そうでしょ、イギリスから来た子でそれで驚かれる子いるしね」
「毎年一人はいるのよね」
「シャワー浴びてね」 
 寮でだ。
「基本お風呂でなくて」
「シャワーを浴びて」
「身体を洗って」
「泡流さずにね」
「泡をバスタオルで拭いて終わるから」
「だからね」
 それでというのだ。
「驚かれるのよね」
「そうなのよね、他の国の皆から」
「それはどうしてかっていうと」
「水質の関係ね」
「だからね」
 それでというのだ。
「そうしていてイタリアもよ」
「水質がそうなのね」
「ええ、それでお茶漬けがないことは」
「そういえばあそこコーヒーの国だし」
「痛恨のことだから」
 それ故にというのだ。
「私としてはね」
「イタリアでは暮らせないのね」
「そうだと思うわ」
 自分でこう言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧