ハッピークローバー
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第二十五話 満足している姉その二
「他のワインと比べても」
「飲みやすいでしょ」
「ええ、いいワインね」
「だから私も飲んでるのよ」
「そうなのね」
「こうしてね、このワインを飲めたら」
それならというのだ。
「それだけでね」
「幸せなの」
「ええ、だから今ね」
「幸せなのね」
「凄くね、ちなみにこのワインはパヴァロッティが好きだったのよ」
「ああ、あのテノール歌手の」
「太った髭だらけのお顔の人ね」
こう妹に話した。
「もうお亡くなりになってるけれど」
「その人が好きだったのよ」
「そうだったの」
「あの人の故郷のワインだからね」
「しかもこれだけ美味しいから」
「だからね」
その為にというのだ。
「大好きでいつも飲んでいたのよ」
「そうだったのね」
「そう、それでね」
そうだからだというのだ。
「ダイエットで止める時は泣く泣くだったらしいわ」
「そういえばあの人いい体格してたわね」
「背は一八四あったらしいけれど」
イタリア生まれであったがイタリア人としては結構以上に大柄であった。
「体重は普通に百キロ超えてたらしいわ」
「普通になのね」
「一二〇はあったらしいかしら」
それでというのだ。
「それでそこからさらに増えることもね」
「あったの」
「百八十位になったこともあったそうよ」
真実はわからない、何しろ体重のことは妻にも言わなかったことらしい、そして聞かれることも苦手だったという。
「だからね」
「ダイエットもしてたの」
「さもないと健康に悪いから」
「命の危険もあった位とか?」
「太り過ぎも危ないからね」
姉は妹に冷静に述べた。
「だからね」
「それ深刻よね」
「あの、日本人の多くの人の太り方はましなのよ」
殆どの日本人はそうであるというのだ。
「実際肥満度少ないし」
「それ学校でも皆言うわね」
美奈代は通っている学校のことから話した。
「世界中から人集まって全体の半分がね」
「外国からの子だしね、うちの学校」
「だからね」
それでというのだ。
「言われるわ」
「他の国からの子達から」
「日本人は痩せてるって」
「太ってる人少ないって」
「太り方もね」
例え太ってもというのだ。
「かなり健康的だって」
「そうでしょ、アメリカなんてね」
肥満と言えばよく引き合いに出される国である。
「もうね」
「凄いわよね」
「あそこは太ってると出世出来ないって言うけれど」
「太り方が問題だから」
「満足に動けないで」
そこまで肥満していてというのだ。
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