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魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

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第二百七十一話

 
前書き
べ、別に3Dプリンターでガンプラのパーツ作るのにハマってて小説書いてないわけじゃないんだからね!

一応主人公機の設定。
RX0000GN CANHEL
OS名
Gospely Unchained New-world Dominater's ArMament
ユニコーンガンダムをベースに00クアンタのバインダー2基、アームドアーマーDE2基を備えるIS。
全身の構造にマルチプルコンストラクションアーマー、プリント基板オニオン装甲を採用することで電装部品の削減と軽量化をおこない、基本構造材にサイコEカーボンを用いている。
動力として背面と腰部にもGNドライヴを備えツインドライブを2セット備える。
手にはバルバトスルプスレクスのような鉤爪とパルマフィオキーナを備える。
一夏が転生前に考えた”ぼくのかんがえたさいきょうのがんぷら”を異世界技術でISとして完成させた機体。 

 
制圧して管理下に置いたファントムタスクの研究所にいったん量子ワープし、そこから高速巡航でルクーゼンブルクまで飛んだ。

日本とルクーゼンブルグの時差はおよそ7時間。

まだくらい真夜中。

結局、”奴”を遠巻きに見ることにした。

現在地はルクーゼンブルクの一角。

山の中だ。

タイムクリスタルは本来ISの基幹要素だが、現在のオリジナルコアや量産コアには使われていない。

入れても良かったが、無くても完成させれたので入れていない。

まぁ、最初にISコアを作ったときはこのルクーゼンブルクまで来る方法が無かったからってのもあるんだけどね。

というわけで、タイムクリスタル鉱床がこの地下に有りはするが、まったく開発されていない。

鉱床近くの山のてっぺん。

その木陰に伏せて待ち伏せる。

「お?来なすったかな?」

衛星軌道にバラ撒いた監視衛星からの映像をウィンドウに映す。

亜音速でこっちに向かってきている。

そちらの方角から確かにプレッシャーが近づいてくる。

「さて…タイムクリスタルを奪う気なら土地ごとふっとばすだけだが」

ここら一帯に人はいない。俺と奴以外。

「おお、そうそうそんな形だったね」

奴は赤い鎧に身を包んでいる。

赤い、竜を模した、鎧。

「ブーステッドギア・スケイルメイル」

それを纏った人間。

この世界には存在しない作品を模した鎧。

導き出される結論はただ一つ。

「俺以外の転生者、か」

仲良くは...できなかったら仕方ないかな。

奴は先遣隊だ。

その証拠に後続にIS2機、工兵隊が続いている。

事前情報では戦闘員は赤龍帝(仮)だけのはずだが、まぁあちらさんにも色々あるのだろう。

今のファントムタスクはわりとごちゃっとしているらしい。

最大派閥は首魁ヴィーティングと研究施設を失い瓦解。

それによって抑えられていた過激派が主導権を握ろうと内部分裂寸前。

戦闘員もIS部隊一つが抜けて派閥争い中。

観察していると、奴は空中で静止した。

彼我の距離約2km。

奴がおもむろにフェイスマスクを解除した。

そのマスクから覗く顔は女だった。

イデアを覗いても女だ。

成端な顔立ちの女だ。

髪型はわからんがブロンドで、青眼の、絵に描いたような美女。

ヘッドセットをつけている。

「ん?日本人じゃないのか?」

ブーステッドギアスケイルメイルを特典に選ぶあたり日本人だと思ったんだが…。

それにさっきからイデアを覗いているが気づかれてない。

呪術的な防御はしてないのか?

そう思った瞬間、女の鎧が塗り替わる。

胸の、心臓のあたりから色が変わっていく。

有機的なデザインだが、形も変わり、意匠も変化する。

深紅から純白。

背中の機械的なスラスターユニットが機械的な翼に置き換わる。

白龍皇の光翼。

「換装⁉ 赤龍帝の籠手だけじゃなかったのか⁉」

あ、しまった。

思わず声を出してしまった。

とっさに木の陰に隠れる。

奴がこちらを向く。

ハイパーセンサー並みの探知力じゃねぇか⁉

マルチサイトで確認すると奴はこちらをじっと見つめている。

地面に穴を掘ってマルチサイトで見れば良かった。

迂闊すぎたかな。

奴の姿が再び赤く染まる。

ブーステッドギアとディバインディバイディングの能力を瞬時に入れ替えれるのは厄介だ。

(Boost! Boost! Boost! Boost!)

サイオン波を伴う機械音。

同時に奴が輝く左手で虚空から巨大でメカニカルな外見のライフルを取り出す。

見たことのない機種。

たぶんファントムタスク製。

(Transfer!)

奴の左腕の輝きがライフルに移る。

譲渡だ。

「やっべ」

奴がこちらに銃口を向ける。

「問答無用かよ⁉」

飛行術式で飛び上がりながらカンヘルを纏う。

一瞬の後。

俺が居た場所をレーザーのギロチンバーストが薙ぎ払う。

シュボッと線状に火が上がる。

ゴポリと山頂が溶ける。

「おいおい待ち給えよ」

周囲にあらゆる周波数で通信する。

「俺は君と敵対するつもりはないよ?話し合おうじゃないか」

しかしその返答は射撃だった。

(Boost!)

サイオン波を伴う機械音は聞こえるがレーザーライフルへの力の譲渡はせず通常射撃で乱射してくる。

3秒に一発。けっこういいレーザーライフルじゃないか。

とはいえライフル自体が大きいため、射線は簡単に読めるし0.5秒くらいのチャージタイムがある。

「もしもし?聞こえてるかな?返事してくれないかな?」

射線に乗らないよう小刻みに機体を動かしながら距離を詰める。

あと1800メートル。

見たところ連射力には優れてるがあのレーザーライフル大した威力じゃねぇな。

さっきのプロトンビームじみたレーザーは倍加4回を譲渡した結果。

つまりあのレーザーライフル自体の威力はさっきの疑似プロトンビームの16分の1しかない。

せいぜい艦艇に搭載される対空レーザー並だろう。

問題は2つ。

奴の能力が未知数だということ。

そして、奴は時間をかけるほど強くなるということ。

さっきの4連ブーストを見るにけっこうブーステッドギアの力を使いこなしている。

つまり結論は。

「吶喊だ」

正面にGNフィールド、エネルギーバリア、更にプリズムの魔法を展開してまっすぐ突き進む。

二層の障壁で減衰した光はプリズムで横に逸れていく。

避ける事をやめたので距離はぐんぐん詰まる。

奴さん狙撃のためか舐めプしてるのか防御に自身があるのかそれとも素人なのかわからないが一歩も動きやがらねぇ。

真正面から迫る光を反らしつつ進み、彼我の距離100mを切る。

空中戦の間合いとしては中距離。

距離を詰めている間にも倍加のサイオン波は聞こえている。

そろそろしかけてくるだろう。

(BBBBBBBBBBBoost!!!)

(Transfer!)

多連ブーストだと⁉

「決める気だな!」

プリズムとGNフィールドをカットし、両手にアンカーショットガンを量子展開。

アンカーショットガンはダークハウンドの物をベースにした捕縛用武装である。

アンカー・ショットガンではなくアンカーショット・ガンなのがミソ。

さぁHANASHIAIの時間だ。

奴の銃口が光る。

チャージタイム0.5秒。

その間に機体をスッと横にずらしながら、両手に構えたアンカーショットを構える。

避けた俺の側方を通過したレーザーは、ただのレーザーだった。

そう、ただのレーザーである。

強化されていないただの対空艦載レーザー。

「あ、やっべ」

マルチサイトでよくよく見ると、奴さんのレーザーライフルの後方、マガジンが2つついてやがる。

エネルギーを譲渡したのはライフルにではなく片方のマガジンへ。

避けた先に本命のレーザー。

アンカーショットを打つために前面を晒していた俺の胸を直径15センチ程の赤黒いレーザーが穿く。

エネルギーフィールド、装甲、ムーバルスーツ、皮膚、骨、心臓を貫き背中のGNドライヴまで貫通した。

熱い。

痛い。

肉体ではない。

魂が痛い。

心が痛い。

『GNドライヴ破損 パージ』

背中からガコンとおとがした。

GNドライヴのパージが実行される。

アンカーショットガンが手から溢れる。

思わず片手で胸を抑える。

ゴポッと口から血があふれる。

肺も穴空いてるし、声は出せんな。

「ナイスファイトだレディ!」

魔法で無理やり空気を震わせる。

落ちる。

真っ逆さまだ。

(ますたー⁉ 死なないよね⁉)

(おいユートピア⁉)

落ちる中、少し遠くで空間が揺らぎ、穴が空いた。

投棄したドライヴに仕込んでいたタナトニウムカプセルは無事起動したようだ。

地表スレスレで、オートパイロットが作動した。

いや、たぶん橙が動かしてくれてるなこれ。

ゆっくりと地表に横たわる。

ドーム状にGNフィールドが展開され、機動に回していたエネルギーがそちらに回される。

「おいユートピア!聞こえるかユートピア」

影から出てきた奏が橙の演算領域を間借りしてプリズムを発動したようだ。

追撃のレーザーが辺り一帯に散る。

奏の指にはフォールドリング。

勝手に量子展開したな?

まぁいい、問題は胸の傷だ。

再生が発動しない。

なるほど、更識鎮の腕をサイオン体もろともふっとばしたのはアレか。

吸血鬼の力は失われていないが回復が遅い。

多分だがさっきの赤黒いレーザー。

ドライグのちからでも込めたたんだろうか。

回復を邪魔している。

少しずつ、本当に少しずつ回復しているが早くて数時間。

もしかしたら数日かかるかもしれない。

「ガッ...アァ!めんどぐぜぇ!!」

それでもこの傷では死なないだろう。

苦痛ではあるが、耐えれなくはない。

今なお上からレーザーは降り続いている。

奴さん話し合う気は無いらしいし、実力行使に移ろうか。

当初の目的はもうひとりの転生者との接触とタイムクリスタル奪取阻止。

説得すればこっちにつくかなと甘い考えだった。

捕縛にも失敗。

いや、よくよく考えれば奴がディバインディバイディングを使える時点でタイムクリスタル奪取阻止のためには戦うしかなかっただろう。

「がな、で。やつを、げっふぁ⁉ ごっほ!」

やっぱ喋れねぇ。

『奴を撃つ』

「最初からそうしろよ。馬鹿が」

胸に大穴が開いてはいるが、だからといってカンヘルが動かなくなるわけではない。

カンヘルはエネルギーラインと粒子供給ケーブルを除いて各部が独立して稼働する。

今破壊された背中の一機と右のバインダーの一機、腰の一機と左のバインダーの一機がそれぞれペア。

まだツインドライブは一対残っているし幸いエイハブリアクターは無傷。

まだ俺とカンヘルは戦える。

胸部と各部とのエネルギーラインと粒子供給ケーブルをカット。

右バインダー内のドライヴのツインドライブを解除。

両手にビーム・マグナムを展開する。

上空で、肩で息をする奴さんに向かって両手のマグナムをぶっ放す。

まぁ、チャージタイムが一秒くらいあるからもちろん避けられるんだけどね。

再生中の激痛を耐え、無理やり体を起こす。

胸部付近で若干バチバチいってるが無視して立ち上がる。

よく見ると、胸から腰にかけての装甲が血まみれだ。

一瞬だけGNフィールドを解除し、アームドアーマーDEを切り離して上空へ飛ばす。

『奏、もう少し防御頼む』

アームドアーマーDEのレスポンスが少し悪いな。

流体化したコアもさっきのレーザーで一部消失しちゃったかな。

『NTD発動』

NTDを発動し、各部装甲を展開。

サイコフレームを外界に露出させる。

アームドアーマーDEのレスポンスが回復…いや通常以上になる。

上空で彼女を中心に半径50MでアームドアーマーDEを円運動させる。

さらにそのリングの角度を彼女を中心に不規則に変える。

「レディ!私は君たちがタイムクリスタルを奪取するのを阻止しなければならない!
大人しく撤退する気はあるかね!」

さっきから魔法で大気を震わせて話しているが、魔法発動もちょっと違和感だな。

やはり吸血鬼としてのパワーソースである心臓がないのが大きいか。

彼女の返答はアームドアーマーDEへの射撃だった。

が、当然艦載レーザー程度でどうにかなるようなやわな造りではない。

俺が落とされてから奴はブーストを使ってない。

多分先の多連ブーストで疲労困憊なのだろう。

奴がアームドアーマーに気を取られている間に、ソードビットを全機放出する。

アームドアーマーDEは片方を相手にすれば片方が、ハイメガを撃つという単純だが面倒な動きをさせている。

彼女は流石にもう先程のように同じ場所から全く動かないというわけではないが、アームドアーマーDEの方位から逃げ切れるスピードはないようだ。

ブーステッドギアスケイルメイルってけっこう素早かった気がするが…。

まぁいっか。

流石の二天龍の器とはいえ、疲労困憊で腕を失えば撤退するだろう。

アームドアーマーDEに気を取られている彼女へソードビット12本を差し向ける。

彼女からすれば急に現れたように見えただろう。

ソードビットの一本が彼女の腕を捉える。

が、弾かれた。

凄まじい強度だ。

NTD発動中のサイコフレームの刃を通さないとは。

彼女が動かなかったのは防御に自身があったからというわけだ。

一応ビームは避けてるけど、当たっても無傷の可能性もあるな。

よししょうがない。

ソードビットで集中攻撃を仕掛ける。

彼女は捌くのに手一杯。

大ぶりのレーザーライフルを投棄し、手刀で対応している。

見た感じ近接武器は持ってないようだ。

彼女の意識の外。

円運動を止め、50M離れた場所からアームドアーマーDEを射手する。

音速を突破した2つのアームドアーマーDEはソードビットに気を取られていた彼女を前後からどついた。

狙いは腕だ。

「アアアアアアアアァァァァァァァァァ⁉」

アームドアーマーDEの先端と、ブーステッドギアスケイルメイルの肩がぐしゃりと潰れている。

まず間違いなく肩は砕けているだろう。

例えあの鎧が龍の鱗だろうとこの世界に形としてあるかぎり、物性からは逃れられない。

残った左腕で彼女がアームドアーマーDEをつかんだ。

アームドアーマーDEを引き戻し、彼女を解放。

ソードビットと先の潰れたアームドアーマーDEが彼女の周囲を包囲する。

『さて、今引くというのなら追撃はしない』

と通告すると。

「くたばれ…汚らしいジャッポスが」

肩を抑え、憎々しそうに呟き、彼女が撤退した。

お仲間と思われるISの方へ戻っていく。

まぁ一応後続の2機に対しても威嚇射撃をしておこう。

アームドアーマーDEの先端を再生で修復する。

修復したハイメガと両手のビームマグナムをぶっ放す。

数発撃つと、彼女らは踵を返して撤退。

さらに後続の採掘班らしき車両群も反転した。

『一件落着だな』

胸に大穴空いてっけど。

ISカンヘルを量子化する。

基本的に背の高いISなので解除すると空中だ。

両手をついて地面に着地すると、びちゃりと血が散った。

そのまま前に倒れる寸前。

奏が支えてくれた。

「油断したな」

『ああ、考えが甘かった』

奏が量子格納庫からストレッチャーを出して寝かせてくれた。

(ますたー大丈夫?」

と橙も実体化してストレッチャーの隣にしゃがみ込む。

巫女服の美女と美少女に看病されて幸せ者だな俺。

『おまえこそ大丈夫か橙』

橙は俺の全身を巡るコアに憑依している。

さっきのレーザーで無傷ではなかろう。

「わたしは大丈夫。もともと幽霊で曖昧な存在だから。
でも肉体に寄るところの大きいますたーはちがう」

なるほどね。

物理的な肉体とそれに付随する情報の破壊が奴の攻撃の本質か。

コアを破壊されてもそれは本来の肉体でないために橙の霊体は無傷。

魔法と逆のプロセスだが原理は同じだな。

そう思っていると、上空でデフォールドの光が見えた。

2つだ。

トレイターとF4EJ改。

束さんと箒だ。

「迎えだ。日本に帰ろう」

 
 

 
後書き
どうも。研究室に配属され機械科のくせに鉄板やらコンクリの打音検査ばっかりやってる男です。
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