イベリス
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第五十四話 雨が降る中でその七
「本当にね」
「そっちの方がおかしいわね」
「お肉食べるからって暴力振るうって」
「そっちの方がね」
「どう見てもおかしくて」
「私はね」
どうにもというのだ。
「おかしいと思うわ」
「暴力は駄目でしょ」
「もうね」
「それ出した時点でね」
「どんなに主張が正しくても」
「そう思っていてもね」
「おかしくなるのよ」
暴力を振るった時点でというのだ。
「もうね」
「そうよね」
「そうなるから」
「暴力は振るうな」
「そうよね」
「どんなに自分が正しいと思っても」
「その時点でアウトになるからね」
だからだというのだ。
「暴力は駄目よね」
「もうそれはね」
「振るったら駄目よね」
「ヴィーガンならヴィーガンでいいけれど」
「その考えでもね」
「ちなみに私お魚大好きなのよ」
咲はこう言った。
「お刺身とかカルパッチョとかね」
「あっ、いいわね」
「お刺身いいわよね」
「まさに日本のお料理って感じもして」
「いいわよね」
「だからね」
それでというのだ。
「お刺身も好きでカルパッチョもね」
「咲っち好きなのね」
「そういえばお弁当によく焼き魚とかフライ入ってるし」
「食堂でも鯖味噌定食とか食べてるわね」
「そうしてるわね」
「お魚はどうしたお料理でも好きなのよ」
咲はにこにことして話した。
「だからヴィーガンにはね」
「ならないのね」
「咲っちは」
「そうした考えないのね」
「牛乳に卵も好きだしね」
こういったものもというのだ。
「それじゃあでしょ」
「ヴィーガンにはなれないわね」
「ヴィーガンって牛乳も駄目なのよね」
「卵それも無精卵でも」
「あと蜂蜜もよね」
「そこまで極端だとね」
「乳製品もアウトだったら」
「私には無理よ」
咲は自分自身のことを考えつつ答えた。
「どう考えても」
「というか蜂蜜とか駄目ってね」
「牛乳もね」
「それって食べるものかなり限られない?」
「卵もでしょ」
「家畜の飼育が残酷だかららしいけれど」
「それも駄目あれも駄目だったら」
それこそとだ、咲はさらに話した。
「食べるもの滅茶苦茶狭まるじゃない」
「事実滅茶苦茶狭いわよね」
「乳製品とか卵って普通に使うわよ」
「ケーキにもクッキーにもよ」
「パンにだって使ってるでしょ」
「それでそういうの食べて殴られたら」
そうでもされたらというのだ。
「どれだけ困るか」
「それ嫌よね」
「パン食べて殴られたら」
「クッキーでもね」
「あとチーズでもケーキでも」
「何食べても殴られない?」
「ラーメンも無理でしょ」
この料理もというのだ。
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