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おぢばにおかえり

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第六十九話 先輩達と会ってもその四十六

「芸能界は大きな損失をしてますね」
「言い過ぎでしょ」
「本当に。声優業界も」
 こちらもというのです。
「損をしていますよ」
「冗談でしょ」
「本気ですよ。ですがそんな先輩がいて」
 それでというのです。
「奥華は結構ですね」
「そこでおみちの言葉出すのね」
「はい、奥華の看板ですね」
「お顔は表札っていうけれど」
「ある教会の奥さんのお言葉ですね」
「ええ、あの人いつもそう仰ってるでしょ」
 羽田さんという人です。
「あの人がね」
「いつも言われてますね」
「新一君あの人のこと知ってるのね」
「何度かお会いしています」
 それでというのです。
「いい方ですね」
「え、しかもお奇麗でね」
 色白で覆わなお顔立ちで、奥華は奇麗な人がかなり多いですがこの人もそのうちのお一人なのです。
「私も憧れてるの」
「あの人みたいになりたい、ですね」
「そう思ってるのよ」
「先輩も憧れる人いるんですね」
「いるわよ、かなり多いわよ」
 新一君にこう返しました。
「白石さんの奥さんも杉浦さんの奥さんもで」
「そうなんですね」
「新一君の布教所の奥さんもよ」
「あの人もですか」
「あの人もかなりの人なのよ」 
 このことは奥華でも有名です。
「所長さんも有名な人でしょ」
「そうみたいですね、どうも」
「それで奥さんは元々静岡の教会の娘さんで」
 奥華とは別系統だそうです。 
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