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イベリス

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第五十四話 雨が降る中でその一

               第五十四話  雨が降る中で
 咲は時間を見付けると東京の有名な寺や神社を巡ることもはじめてみた、そうしてやってみるとだった。
「ああ、山手線とか地下鉄使ったら」
「結構梯子出来るのね」
「それで一気に巡れるのね」
「狭いからね、東京って」
 咲はクラスメイト達にクラスで話した。
「それに有名な江戸時代からのお寺や神社って東京の真ん中にあるのが多いでしょ」
「それはね」
「江戸時代の頃って今より小さいからね」
「皇居、昔の江戸城があって」
「その周りに街があってね」
「百万の人口がいても」
 当時その人口は世界一だった、江戸は世界一の大都市だったのだ。
「今よりずっと少ないしね」
「今じゃ一千万だからね」
「江戸時代の頃の十倍だからね」
「百万どころじゃないわね」
「その百万の人達がいた辺りで」
 江戸時代からある寺や神社はというのだ。
「あの辺り巡ればいいから」
「そう思うとすぐね」
「山手線や地下鉄使ったら」
「定期あればお金もいらなし」
「案外楽ね」
「まあどっちにも慣れないといけないけれどね」
 山手線にも地下鉄にもというのだ。
「地下鉄あんて迷路って言われる位だしね」
「そうそう、路線が複雑でね」
「駅も多いし」
「路線が交差もしてるし」
「滅茶苦茶複雑って言われてね」
「迷路って言われてるけれど」
 咲は確かにという顔で話した。
「否定出来ないっていうか」
「その通りよね」
「東京の地下鉄ってね」
「山の手線は輪になってるだけだけれど」
「地下鉄はね」
「慣れて覚えたら電車の数も多いし」
 このことは伊達に一千万都市世界屈指の大都会ということか。東京の電車の数はやはり地方とは比較にならない。
「すぐに行き来出来るから。歩いた方が近い場合もあるし」
「東京はそうでもあるのよね」
「実は狭いからね」
「しかも平地だしね」
「歩いて行っても楽なのよね」
「だから歩く場合も」
 その場合もというのだ。
「いいしね」
「そうなのよね」
「それが東京なのよね」
「それで江戸時代からのお寺や神社はね」
「東京の真ん中にどうしても多いのよね」
「だから案外楽よ、この前ちょっと巡ったら」 
 そうしたらというのだ。
「かなり巡れたわ」
「そうなのね」
「咲っちも新しい趣味見付けたけれど」
「そっちは順調なのね」
「東京だから」
「そうなの、東京って名所巡りも楽なのよね」 
 比較的狭い平野部に集中しているからだというのだ。
「出版社や声優さんの事務所だってね」
「いや、声優さんの事務所って」
「集中してるの」
「そうなの」
「東京にね、収録スタジオなんかもね」
 こちらもというのだ。
「だからちょっと山手線に乗って運がよかったら」
「声優さんにお会い出来るの」
「東京だと」
「この街だと」
「実はこの前ある人気声優さんお見掛けしたの」
 咲は笑って話した。 
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