ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
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第90話 三大勢力会談始まります!遂に出会う、D×DとG×G 前編
前書き
ここのサーゼクスは身内には甘いですが他人には冷酷になれる性格としていますのでお願いします。
またゼノヴィアは後任を育てる為にデュランダルをヴァスコから譲り受けたという風にしています。
後終末の魔物ベヒーモスを眷属にしているセラフォルーですがどの駒かは調べたけど分からなかったので少なくとも女王の駒は使っていないという設定でお願いします。
side:イッセー
あれからまた時間が進み遂に三大勢力のトップが集う会談の日がやってきた。
「しかし魔王の一人が襲われたというのに普通にやるんだな」
「お兄様曰く襲撃される可能性が高いのならいっそおびき寄せてしまい一網打尽にする方向に決まったらしいわ」
「三大勢力のトップを餌にするのか。大胆なことをするものだ、下手をしたらトップを殺されるかもしれないのに」
「旧魔王派を止めるにはこれくらいしないといけないって言っていたわ。なにせお兄様はその旧魔王派と何度も争った経験者だから……」
俺は魔王であるセラフォルーさんが襲われたのに会談をしようとすることに疑問を持つがリアスさんが自身らを囮にして旧魔王派をおびき寄せるためだと話した。
普通は警戒されるんじゃないのかと思うが旧魔王派はプライドが滅茶苦茶高いので絶対に来るとのことらしい。イヤな信頼のされ方だな。
「まあこっちとしても会談を開いてくれるなら話が早い。三大勢力のトップを親父たちと接触させられる唯一の機会だからな」
「でもどうして一龍さん達は後から行くって言われたのでしょうか?」
「ココ兄の占いでそうした方が良いと出たらしいからな。まあ俺達は自分達がすべきことをしよう」
アーシアは先に行っててくれと言った親父たちの考えについて話したが最終的には接触すること自体は確定しているんだ。なら俺達は親父たちを待つだけだ。
俺達は駒王学園の新校舎にある職員会議室に向かった。学園内は人払いの結界が張られており人間は俺達以外いないだろう。しかし……
(三大勢力の実力者たちが集まってるみたいだな。あちこちから視線を感じるぜ)
俺は自身に向けられる好奇心、殺気、観察などといった様々な視線を感じながら学園内を進んでいく。
「イッセー君は気が付いたよね?さっきの悪魔の集団の中に師匠がいたんだ」
「師匠?あの刀を持った男性か?」
「うん、あの人は『沖田総司』。かつての新選組一番隊組長で天才と言われた剣士だよ。僕に剣士としての心構えを教えてくれたんだ」
「あの新選組の?通りで実力者特有の気迫を感じたはずだ」
「それ以外にも『黄金の夜明け団』に所属していた『マグレガー・メイザース』、北欧神話に登場する炎の巨人のコピー体『スルト・セカンド』、あそこにはいなかったけど深海の光魚と呼ばれる神獣『バハムート』、東洋の神獣麒麟の『炎駒』、デンマークの英雄の子孫である『ベオウルフ』……全てサーゼクス様の眷属だよ」
祐斗が悪魔陣にいて俺を興味深そうに見ていた集団について教えてくれた。ドイツもコイツもめっちゃ有名な名前ばかりじゃないか。流石魔王だ、そんな奴らを眷属にしているとはな。
「悪魔だけじゃないぞ、教会も本気だ。なにせ『テオドロ・レグレンツィ』や『エヴァルド・クリスタルディ』、更に『ヴァスコ・ストラーダ』までいた。ヴァチカンのトップ5を3人も見れるとは思っていなかった」
「あの爺さん、本当に人間か?正直こっちの世界で人間にあそこまで警戒心を働かせたのは初めてだぞ?」
「ただの人間だよ。それにゼノヴィアが持ってるデュランダルの前の持ち主なんだから」
「そうなのか!?」
「ああ、高齢を理由に私に譲ってもらったが……正直今でも十分にデュランダルを扱えるだろう。あくまでも後任を育てるといったお情けで譲り受けたようなものだ」
ゼノヴィアとイリナは教会側の人間について教えてくれた。特にヴァスコ・ストラーダという老人はヤバかった、グルメ細胞を持たないただの人間にあそこまで警戒したのは初めてだ。武の道を極めたっていう言葉を表したような人だな。
「しかし教会側から殺気や敵意を向けられるな。まあ悪魔とは休戦しているとはいえもともと戦争するくらいには敵対してるからなんだろうけど、どうして俺まで殺気を向けられるんだ?」
「多分イッセー君がグレモリー眷属と仲がいいからだと思う。イッセー君は明確に悪魔に与したって訳じゃないけど知らない人からすれば悪魔の側にいるってだけでもいい気分はしないはずだよ」
「それに私達の事も気に入らないのだろうな、なにせ討伐すべき悪魔と共に行動してるのだから」
教会の人間からやたらと敵意を向けられる理由をゼノヴィアとイリナが教えてくれた。なるほど、悪魔であるグレモリー眷属と仲良くしてる俺も気に入らないって訳か。
ヴァスコさんは純粋に興味って感じだったがテオドロって人からは殺意を感じた。
「テオドロ殿……彼を含めたエクソシストは悪魔に家族や恋人を殺され憎しみを持った人間も多い。私は憎しみではなく教会で生まれ育ったからエクソシストになった、だから彼らとはあまりいい関係が作れていない」
「私もお父さんが協会の関係者だったからエクソシストになったからね」
悪魔と教会の人間の溝はあまりにも深いんだな。三大勢力が同盟を結ぶのが今回の会談の目的だが上手くいくのだろうか?
(まあそこは俺には関係ないか、俺の目的は親父たちを三大勢力のトップに接触させることだからな)
俺は思考を切り替えて今後起こることを考えはじめた。それは禍の団の襲撃がどうやってされるという事だ。
魔王さん達が絶対に来ると言ってるんだ、それだけプライドは高いんだろうしこの状況を逃すほど慎重だとは思わない。つまり襲撃は確実に行われると考えていいだろう。
「一応対策はしているんだろうがどうやって襲撃を防ぐ気なんだ?」
「この学園には強力な結界が張られているから関係者以外が入ったら直ぐに分かるわ。正面から攻めてきてもあの軍勢を相手に出来るとは思えないけど……」
「でも敵は絶霧を持ってるんですよね?それ使われたら意味がないような……」
「アザゼルが対策を考えているらしいわ」
リアスさんの話だと今駒王学園全体に強力な結界が張り巡らされているらしく怪しい奴は一人も入れないらしい。しかも学園内には悪魔、天使、堕天使の勢力が陣を作って待機している。
だが敵は絶霧という転移させる神器の中では最強クラスの神滅具を持っている。これの対策をアザゼルさんがしているようだが……まああの人は神器のスペシャリストだしバッチリ対策は出来ているだろう。
俺達は会議室にノックして中に入る。そこには特別に用意させたという豪華なテーブルがありそれを囲むようにここ最近で出会った見知った顔ぶれが並んでいた。
「来たね、リアス。それに兵藤君も来てくれてありがとう。君たちの席はそこだ、君たちが座ったと同時に会談を始めるよ」
「分かりました」
どうやら俺達が最後だったらしい。指定された席に座るとサーゼクスさんが当たりを見渡し話し始めた。
「全員揃ったようだね。会談を始める前に一つだけ確認しておこう、ここにいる者達は全員が最重要禁足事項である『聖書の神の不在』を知っているね」
サーゼクスさんの言葉に全員が頷いた。
「ではこれより三大勢力による会談を開始する」
そして三大勢力の会談が幕を開けた……
「ちょっと待った!」
だがそこにセラフォルーさんが待ったをかけた。魔王の一人である彼女の静止に会場内が大きくざわついた。
「セラフォルー、一体どうしたんだい?」
「とっても大事な事を忘れてるよ、サーゼクスちゃん?」
「ふむ、心当たりは無いが……一体何だい?」
「それは赤龍帝ちゃんが知ってるよ」
な、なに!?俺だと!?
いきなり名指しで俺を呼ばれてしまったぞ!?まさか俺の背後にいる親父たちの事を感づいたのか!?
くそ、グレモリー眷属を除いた会場内にいる人物たちから疑いの目を向けられているじゃねえか!匙や会長さんも困惑した様子で俺を見ている。
「赤龍帝ちゃん……正直に答えてね」
「……」
俺を真剣な表情で見るセラフォルーさん、俺は何も言えずにただ彼女から言葉が発せられるのを待つしかなかった。
(すまない、親父……もしかしたら三大勢力が敵に回るかもしれねえ……!!)
俺は頭の中で最悪の展開を考える。だがこうなったら覚悟を決めるしかねぇよなぁ!!
「サニーちゃんは何処!!!」
「……ん?」
セラフォルーさんの発言に俺は一瞬頭の中が真っ白になってしまった。
「今……なんて……?」
「だからぁ!サニーちゃんはぁぁぁ!!何処なのぉぉぉぉぉ!!?」
あっ、俺分かっちゃったよ。これ茶番だ。
リアスさんはずっこけるし朱乃は苦笑いしてる。祐斗はいざというときの為に剣を出そうとしていたが拍子抜けした顔してるし、小猫ちゃんはジト目でセラフォルーを見ていた。アーシアはアワアワしてるしギャスパーは訳が分からなくて泣いていた。ゼノヴィアとイリナはガビーン!といった感じで驚いている。
「セ、セラフォルー……一体誰の事だい?」
「もう!前に一杯お話ししたでしょ!私の命の恩人で恋人で将来の旦那様!私の女王の駒候補のサニーちゃんだよ!因みに将来的には魔法少女を卒業しまーすって大々的に発表後結婚式を挙げてそのままハネムーンにいって小作りして最終的に子供は15人作る予定でーす!!」
「ああ、前に事情聴衆の際にこっちは聞いてもいないのに3時間は話していた男性か……」
サーゼクスさんは嫌な事を思い出したのか遠い目をしていた。
「なんだ?セラフォルーに恋人が出来たのか?詳しく聞かせろよ」
「まさかあのセラフォルー・レヴィアタンに恋人が出来るとは……」
アザゼルさんは興味深そうにしてるしミカエルさんは本気で驚いていた。というかこのままだと三大勢力の中でセラフォルーさんの恋人として勝手に認識されそうだぞ、サニー兄。
「止めなくていいんですか、先輩?」
「もうどうでもいいよ……」
俺は溜息を吐きながらそう答えた。
「お姉さま!いい加減にしてください!」
「いったーい!?」
結局その後は騒ぐセラフォルーさんの頭を会長がハリセンで叩いて落ち着かせた。
―――――――――
――――――
―――
混乱した状況も収まり会談が始まった。
会談の内容は現在の各勢力の状況、起こっている不具合、今後起きうる問題点など小難しい話が続いた。正直人間の俺には退屈な内容だ。
正直欠伸が出てしまいそうだったが流石に失礼なので我慢する。すると隣に座っていた小猫ちゃんが手を握ってきた。
「小猫ちゃん?」
「ご、ごめんなさい……ちょっと眠くちゃって……」
小猫ちゃんは申し訳なさそうにそう呟いた。まあ仕方ないよな、俺達が話す事なんてほぼないし正直俺も眠い。
「ならバレない程度に握ってていいよ」
「ありがとうございます、先輩」
小猫ちゃんはニコっと笑みを浮かべる。本当に可愛いな、この子。好き。
「ふふっ、今とっても大事なお話をしてるのにこんなことしちゃってるなんて悪い子ですね、私達」
「そうだな」
ん?何をしてるのかって?指を絡めあう恋人つなぎをしてるだけだよ。エッチな事を考えた奴はリーガルマンモスの体内からジュエルミートを取って来い。
(そういえば親父たちは後から来るって言っていたがどうやって入る気なんだ?俺の関係者だって説明するにしても証拠が無いしまさか正面から堂々と入ってくるんじゃないだろうな?)
駒王学園全体に結界が張られているし三大勢力の実力者たちが警護に当たってるんだ。やろうと思えば全員ぶっ飛ばして来れるんだろうけど、そんな事をしたら敵として認識されてしまう。
(まあルフェイもあっちに残してきたし何とかなるか)
俺はそう思い小猫ちゃんの小さな手をニギニギしつづけた。
―――――――――
――――――
―――
その後聖剣をコカビエルが奪った事件についてリアスさんやソーナ会長から改めて説明があった。そしてまた話は進んでいき遂に同盟についての話にはいった。
「……つうわけで俺は同盟を提案するって訳よ。このままじゃ三大勢力は仲良く絶滅するか他の勢力に奴隷かペットとして飼われるだけだと思うぜ」
「しかし貴方の所のコカビエルのように同盟を気に入らないと思う者は必ず現れるでしょう。それの対策は?」
アザゼルさんはこのままだと三大勢力は滅ぶだけだから同盟しようと提案する。それに対してミカエルさんが同盟に対する不満などはどうするんだと返した。
「対策は勿論あるぜ。サーゼクスにはすでに話しているが例えば悪魔の駒の技術を応用して他の種族を天使化させるアイテムが作れるかもしれない。勿論俺も技術提供する」
「それは……確かに納得させるには十分な対価かもしれませんね。なにせ現状天使の数を増やすには人間と交尾させるしかないのですが堕天する恐れもある上に時間がかかるので」
朱乃から聞いたが天使と人間が子作りすれば天使を増やせるようだが、その為の準備による手間や時間も凄くかかるし堕天しない強靭な精神が必要になるため滅多にしないらしい。
そんな手間をかけなくても簡単に天使を増やせるのなら納得せざるを得ないだろう。
だがそれで全員が納得するわけがない。その辺はどうして行くのか見ものだな。上から目線のように思われるかもしれないが人間である俺に出来ることはない。
「サーゼクス、お前としてはどうなんだ?」
「魔王としても同盟には反対しないよ。ミカエルの言うように反対、反発する者は必ず出てくるだろうがそれでも同盟はするべきだ。邪魔をするのなら魔王として僕が対処する……どんな手を使ってもね」
「はっ、身内には甘ったるいお前だが赤の他人だと同胞の悪魔にすら残酷になれる……相変わらず恐ろしい男だよ、ホント」
「誉め言葉として受け取っておくよ」
悪魔としては同盟は賛成のようだな。
「邪魔と言えば前にセラフォルーが旧魔王派に襲われたらしいな。確かカトレア・レヴィアタンに襲撃されたんだっけか?」
「うん、そうだよ。その時絶霧の使い手と黄昏の聖槍の使い手も出てきたんだ」
「まさかかの聖槍を持つ人間が禍の団に入っていたとは……複雑な気持ちです」
アザゼルさんは以前セラフォルーさんが禍の団に襲われたことについて話し始めた。セラフォルーさんが神滅具である『絶霧』と『黄昏の聖槍』について話すと全員の顔が曇った。特にミカエルさんは複雑そうな表情をしていた。
「まさか神滅具の中でも最強クラスの物がテロリストの手にあるとはな。俺もまったく把握できていなかった」
「貴方でもですか?」
「ああ、今代は神滅具の行方が分からなすぎる。赤龍帝の籠手だって最近見つかったもんだからな」
アザゼルさんはそう言って俺の方をジッと見る。
「何が言いたいんですか?」
「お前の事は色々調べた。だがあまりにも情報が出てこなさすぎる、義理の父親もセラフォルーが言っていた兄ってのも全部がな」
……流石に感づくか。あんな下手なごまかしで納得はしてもらえないと思っていたが案の定だな。
「なあイッセー。お前は一体どうやって何年もの間赤龍帝の籠手を隠し続けたんだ?いくら灯台下暗しとはいえ神器を宿した人間をまったく把握できないのは考えられないんだよ……お前の背後に一体誰がいる?」
アザゼルさんは普段のふざける態度を消して真剣な顔でそう言ってきた。
「別に俺はお前をどうこうしたいわけじゃないんだ、個人的にはお前には感謝してる、朱乃とバラキエルを仲直りさせてくれたんだからな。だが組織のトップとして不安要素は消しておかなくてはいけない、赤龍帝という厄介な種を持ってるのなら猶更だ」
アザゼルさんだけでなくサーゼクスさんやミカエルさんも俺をジッと見ていた。俺はもう隠せないなと判断して親父たちはまだ来ていないが話せるところは話しておこう。
俺はそう思い話をしようと思ったが突然霧がかかったかと思うと白黒した世界に飛ばされてしまった。
「これは……!」
「来やがったか……」
「ごきげんよう、諸君」
困惑する俺達の前に謎の魔法陣が現れた。そしてそこから3人の男女が姿を現す。
「カトレアちゃん!?」
「シャルバ、それにクルゼレイも……」
セラフォルーさんとサーゼクスさんが反応したって事は悪魔か。カトレアといったらサニー兄が戦った旧魔王派の悪魔だったはずだ。つまり……
「さあ、新たなる魔王、そして世界の誕生を始めようじゃないか」
戦いの火ぶたが切って落とされたって訳だな。俺は隣で俺と同じように戦う意思を見せる小猫ちゃんの手を握りながら奴らを睨みつけた。
後書き
イッセーだ。すまないな、また作者が話を上手く纏められなくて分ける事になったぜ。
さてようやく三大勢力の会談が始まった訳だが予想通り禍の団が襲撃してきて三大勢力VS禍の団の戦いが始まった。でもこれだけの戦力ならそうそう負けねえはずだ……ってまさかアレは!?
次回第91話『三大勢力会談始まります!遂に出会う、D×DとG×G 中編』で会おうな。
俺も見た事の無い猛獣だ。まさかな……
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