八条学園騒動記
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第六百六十話 自由な社会の条件その三
「ヴァイシャはヴァイシャ」
「クシャトリアはクシャトリアです」
「そしてシュードラはシュードラ」
「そう定められていますね」
「大きく分けて」
「そうです、そしてエウロパでも」
先に留学したこの国でもというのだ。
「同じです」
「平民は平民で」
「貴族は貴族です」
「やはり分けられています」
「厳然としたものがあります」
「おトイレや家具も」
こうしたものですらというのだ。
「違いますね」
「マウリアは特にですね」
ベッキーが言ってきた。
「おトイレ一つ取っても」
「違いますね」
「はい」
自身の主に答えた。
「そこは」
「それが階級社会です」
「おトイレ一つ取ってもですね」
「区分されています」
「そうなっていますね」
「エウロパでは貴族と平民で違い」
使用されるトイレもというのだ。
「そしてマウリアでもです」
「同じですね」
「誰もが同じおトイレを使える」
「それは連合ですね」
「これは連合では普通ですが」
セーラは述べた、その目には今はこれまで見て来た各国のトイレの状況がありのまま浮かんでいる。
「しかしです」
「マウリアでは違います」
「そしてエウロパでも」
「それも階級社会ですね」
「まさに」
「そうです、階級社会とは何か」
セーラは話した。
「それは目に見える形で違いが出るものです」
「まさにそうですね」
「そこは出ますね」
「どうしても」
「衣食住や公共施設に」
「それを連合では悪としますが」
そうしてエウロパを攻撃しているのだ。
「しかしです」
「そうとも言えないですね」
「これが」
「そうです、区分をして」
階級でそうしてというのだ。
「社会秩序を構成してです」
「職業分化をして」
「それぞれの職業を守っています」
「そうした意味もありますので」
「悪かといいますと」
「連合ではそうなっていますが」
それも絶対のである。
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