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少女は 見えない糸だけをたよりに

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7-2

 お店に戻ると、お姉ちゃんが

「ちゃんと ぶつかっていけた?」

「うん 抱きしめてくれて、ずーと側に居てくれって」

「それだけなのー 抱き合って、あつーいキスとかなかったの」と、くるみちゃんが

「そんなのー 私・・ でも、ずーと待ってたわりには、あっけなかった やっと 逢えたのにー」私、下をむいていたら、お姉ちゃんが

「くるみちゃん 無理よ 香波は純真なんだから まだ ようやく、逢えたとこだものねー それで、ちゃんと連絡先聞いたの?」

「うん しばらく寮に入るんだって 携帯もあと数日かかるって でも、明日 夕方来てくれるって」

「そう アパートでなくて良かったわ 香波が入りびたっちゃうようになるのって 嫌だもの 私は、いくら好きでも ずるずるするの許さないからね」

「うわー 今日の店長 怖ーい」と、くるみちゃんがおどけていたけど、私には、ずるずるするって 良く解らなかったのだ。

 次の日の夕方、あの人が有沢さんと連れ立ってきてくれた。私は、恥ずかしくて、声が出なかったんだけど、くるみちゃんが

「ワァオー 恋のキューピットとあこがれの君だ」

「あのさー なんか ふざけているように聞こえるんだけど」

「うーん でも 有沢君って よーく考えると恰好いいよね」

「そうかー じゃぁ 付き合ってくれるか?」

「だめー 遅かったね ウチ もう、予約済みになっちゃったー えへー 香波 何をそっちで もじもじしてんのー 注文 聞きなさいよ」

「えっ う うん」

「あっ 俺 ハムカツ」

「ごめんなさい あれは、メニューから無くなったの 揚げるのに時間かかるでしょ だから 待たせるの良くないからって いまは、焼き豚」

「あっそう じゃぁ それ 巧は?」

「うーん ランチョンミートのクレープ」

「初めまして くるみ でーす よろしくね」

「あー 赤嶺巧です よろしく」

「うん いい男ね 香波のこと 大切にしてね 優しい娘だからね ウチの親友だから 泣かしたら、許さないよ」

「くるみちゃん さっき 予約済みって言ってたけど・・」

「うん お付き合いしている人いるからね 残念ね でも、振られたら 有沢君 面倒みてね」

「バカ 中古品だったら 少し 考えるわー」

「そういう言い方って 下品 ちょっと点数下がったわよ」とくるみちやんはプイっと

 その後、巧さんと話をしたんだけど、結局、会えるのは水曜のお昼の30分位と、日曜日のお昼から4時までだけなので、私、無理を言って、火曜日の朝、8時から1時間の朝デートにした。 
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