少女は 見えない糸だけをたよりに
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家に帰って、私とお姉ちゃんは直ぐに、お風呂に入って、出て来るとお父さんが、座敷で、又、飲み始めていた。お姉ちゃんは、缶ビールを片手に
「お父様 一緒するね」と、入って行ったので、私も・・
「おー 燿がそんな恰好で現れるのって 初めてだのう」
私達は、タオル地のルームウェアだったんだけど
「うん 可愛いでしょ 香波とお揃い」
「仲の良いのは いいことじゃ しかし 香波なんて 友達と遊びまわったりしているのが楽しい年頃なんだろうな」
「お父さん 私 今の暮らし 毎日が楽しいですよ お母さんにも、いつもお料理のことも教えていただいてますし」
「なんかな 香波と話していると まだ、真っ白なせいなのか こっちが柔らかな気持ちになるんだよ さっきも香波は素敵なお父さんって言ってたろ だけど、燿は立派なって表現していた。いや 燿が悪いって言っているんじゃぁないぞ それだけ、違いがあるってことを言って居るんだ」
「お父様の言いたいことわかりますよ 私の言い方 温かみないんでしょ 気をつけます」
「いや だから 責めているんじゃぁ無いんだ 燿は経営者なんだから それはそれでいいんだよ ピシッとしているからな」
「それは 誉め言葉と受け取ってていいのかしら 私 ますます 男の人から縁遠くなっていくわね」
「そー言うなよ それは、それで心配だなー そー言えば この前から 少し 気になっていたんだが 香波 一緒に散歩している時でも 男連れが向こうから来ると、ワシに力入れてしがみつく様にしてくるなー 足が止まる時もある 怖がっているみたいだな」
私 食べていたアイスクリームも 口元で止めてしまって
「お父さん 私 怖いんです 一人だとなんでもないんですけど 二人、三人で近づいてこられると 震えてしまって・・」
「そーいえば 私と歩いている時もそうだったわね 香波は男に対して まだ 免疫ないからね」
「そうか まぁ 怖いことがあったんだろうけど 徐々に慣れるよ それまでは、みんなで守るから安心しろ」
「ありがとう お父さん 私 バクもいつも一緒で守ってくれているから、少し、強くなったと思う」
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