少女は 見えない糸だけをたよりに
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3-7
2月になって、私は、アパートを引き払って、帯屋の家に移っていた。光瑠さんがアパートの違約金を払ってくれたみたいだった。
そして、ゲンイチさんが久し振りにお店に顔を出してくれた。
「いやー 自分は 単位落としそうだったんで、卒業も危なかったので、缶詰だったんだよ 久し振りだよなぁー」
「そうですよねー お顔見れなくて 淋しかったんですよー」と、くるみちゃんが調子いいことを言っていた。
「うれしいっすね その言葉 じやぁ ランチョン・チーズお願いします」と、私は、その間にお水を持っていったら
「香波ちゃん なんか 感じが変わったすね どんどん 可愛くなってるみたいです」
「うわー ありがとう」
「もう 少年のイメージってないよね 又、ウワサになって有名人になったら、嫌だなぁー」
「もうー そんなー ゲンさんタラーッ」
「だめよー はっきり言わないんだけど カナミ 心に決めた人居るみたいよ 私ならフリーだから 今なら お買い得よ」と、クレープを出しながら
「えー そーなんすかー 香波ちゃん」
「えー くるみ なんてことを・・あのね ゲンさん 何となくなんです」
「やっぱり そっかー やんわり 断られたからなぁー」
「ちがうのよ ゲンさんのこと 普通にどっか遊びに行くくらいなら・・ それに、ゲンさんといると安心できるから 好きですよ」
「うん ありがとう 香波ちやん 君は 自分にとって 太陽のままだね」
「ねぇ ゲンイチさん カナミのことはあきらめて ウチの大学の女の子と合コンしょっ」と、くるみちゃんは言い出していた。
だけど、ゲんさんは、帰り際 くるみちゃんに聞こえないように、私に「デートさそってもいいですか」と、短く、私は黙っていたが、ゲンさんが出て行くとき「いきます」と・・言ってしまった。でも、直ぐに、巧さんの顔が・・
だけど、次の日も、くるみちゃんと合コンの話ばっかりで、ちっとも、ゲンさんは私を誘ってきてくれなかったのだ。
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