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少女は 見えない糸だけをたよりに

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2-7

次の日も、昨日より少し少ないけど、お昼前から混んできていた。そして、5時過ぎにあの人がやってきた。丁度、お店の中の席が空いた時だった。

「いらっしゃい 今日も来てくださったんですね ありがとうございます」と、私はお水を持っていったら

「えーと ハムカツのとランチョンミートのと 二つ お願いします」と、遠慮がちに下を向いて注文してきた。

 そして、私がカツを揚げて、焼き始めたら、別の席に居た女の子の二人組が

「写真 撮ってもいいですか インスタにアップしたいの」って言ってきた。私は「はぁー」と、戸惑っていたのか

「君等ー そんなこと、勝手にやったら・・ なぁー」と、ゲンイチさんが、私に同意を得るように・・。

「でも こんなに可愛い男の子が焼いているんだっら インスタ映えするし お客さんも増えるよ きっと」

「だから そんなことになったら・・」

「いいんですよ ゲンさん でも、お店の場所は出さないでくださいね」と、私は、その人達にお願いしておいた。でも、写真を撮って出て行った。

 焼きあがったものを持っていった時

「ありがとうございます さっきは 気を使っていただいて」

「いや 自分は そのー 香波ちゃんが、他人にさらされるような気がして・・ すみません 余計なことでしたね」

「いいんです 私は でも、店長に叱られるかも」

「そんなことになったら 自分が 説明します」

「あららー ゲンイチさんは カナミちゃんに ぞっこん なのねー」と、くるみちやんがクレープを持って来て

「いや そっ そんなことは・・ くるみさんも・・」

「くるみさんも? なに?」

「はい だから 二人共 いい感じです! 笑った顔がいいです それに、女性とこんな風に話できるのは 自分は初めてなんです」と、又、下を向いていた。私は、この人、本当に真面目そうで・・好感を持ってしまった。

「うふっ ゲンイチさんって 見た目とちがって 可愛い―」と、くるみちゃんがからかっていた。

 知らないよ。私なんかより、くるみちゃんが付き合えば良いじゃない。

 今日は、夕方の客があんまり来なかった。寒いせいなのかも知れない。

「カナミ クリスマス どうすんの?」

「どう って?」

「だからー 誰かと クリスマスすんの?」

「クリスマスするって? お仕事ですよ いつもと一緒」

「違うよ! だから、男の子と特別な場所で食事するとか、ネオンが綺麗な場所にいくとかさー ないの?」

「そんなー 私 知ってる人居ないしー 帰って 何か食べて お風呂行って 寝るだけですよ」

「そんなん あんたー 青春を損してるよ もっと 楽しいことしなきゃー」 
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