| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十一部第一章 全戦線でその九

「我々もということで、むしろ」
「今からだな」
「検討に入るべきです」
「そうだな、時としてだ」
「時としてとは」
「人は違う人物が時を同じくして同じものを発明している」
 モンサルヴァートはこうも言った。
「そんなこともだ」
「有り得るのですね」
「電話がそうだったな」
「ベルですね」
「そうだ、アメリカのあの発明家は電話を発明したが」
 その同時期にだったのだ。
「アメリカでだ」
「別の人物がでしたね」
「電話を発明していてだ」
「ベルの直後に特許を志願していましたね」
「この人物は別のもので特許を得たがな」
 そしてこちらで大きな利益を得ている、電話では残念なことになったが他の発明で幸せになれたのだ。
「こうしたこともある」
「では」
 タンホイザーの直観が動いた、そのうえで言った。
「連合も」
「有り得ると思わないか」
「そう言われますと」
「可能性はゼロではないな」
「はい」
 タンホイザーは一言で答えた。
「まさに」
「そうだな」
「人は時として違う人物が同じことを考える」
「そして発明するが」
「兵器もですね」
「そうである可能性がある」
 だからだというのだ。
「若し連合が潜水艦を開発しているとなると」
「極秘に」
「まだ情報は入っていないが」
 それでもというのだ。
「そうであるならな」
「我々としてはですね」
「今からだ」
「手を打っていくべきですね」
「そうしないとだ」
「遅れを取る」
「そうなるからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「開発を急ぐ」
「研究もだ」
 これもというのだ。
「今からだ」
「していきますね」
「そうだ、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「素晴らしい潜水艦を造るぞ」
「わかりました」
「それでは」
 ローズもタンホイザーも応えた、こうしてだった。
 エウロパ軍はオムダーマンの勝利から彼等も動くことになった、それは軍の最高司令官であるギルフォードもだった。
 モンサルヴァートから話を聞いてだ、彼に言った。
「ではな」
「はい、それではですね」
「軍に命じる」
 軍の最高司令官である総統としてというのだ。
「その潜水艦の開発と研究を行いだ」
「そうしてですね」
「製造を行い」
 そのうえでというのだ。
「よい潜水艦を建造してだ」
「軍に入れる」
「そうするのだ、潜水艦はだ」
 モンサルヴァートの予想通りにだ、ギルフォードは言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧