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おぢばにおかえり

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第六十九話 先輩達と会ってもその三十四

「というかそれ全部直接その目で見た人達によね」
「それで嫌いになります」
「基本噂とかで嫌いにならないわよね」
「噂は噂ですよ」 
 それに過ぎないというのです」
「もうそれ以外の何でもないです」
「そうした考えよね」
「僕も噂されて嫌な思いしましたし」
「それに惑わされない様にしてるのね」
「そうしています」
「じゃあどうして長池先輩達にはああなのよ」
 さっきの高井先輩と佐野先輩に対してもです。
「噂聞いただけで嫌悪感丸出しで睨んで言ってたけれど」
「あまりにも酷いお話なので」
「だからなの」
「はい、ああなりました」
「真実かどうか確かめなかったの」
「反射的にでしたね」
「それはよくないから」
 どうもこのことはこの子らしくないかもとも思いました。
「聞いただけだとね」
「本人からでもですね」
「そうよ、実際に見た訳じゃないでしょ」
「はい、それは」
「それじゃあ言わないことよ、その目で見てもね」
 例えそうであってもです。
「見間違いってこともあるでしょ」
「それはありますね」
「だからね」
「そうしたことはですね」
「言わないこと、悪いことはね」
「嫌うこともですね」
「しないでね」
「そのことが僕の最大の課題ですね」
「そうよ、けれどね」
 私はさらに言いました。
「新一君は自覚しているからね」
「いいんですね」
「ええ、その分ね」
 まだです。 
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