オズのホボ王子
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第六幕その三
「ではね」
「うん、それじゃあね」
「今から入らせてもらうよ」
「そうさせてもらうね」
「そしてそのうえで」
「この国も楽しませてもらうわ」
「是非共ね」
笑顔で応えてでした。
一行は狐の国に入りました、するとです。
国の中では皆化けたり化かしたりすることを楽しんでいます、そして揚げやきつねうどんのお店もあります。
その揚げのお店を見て王女は言いました。
「もう狐といえば」
「そう、油揚げだね」
「そうなっているわね」
「元々はね」
教授はこうお話しました。
「オズの国の狐は揚げを食べなかったんだ」
「揚げ自体がなかったわね」
「それがね」
「日本文化が入って」
「そして日本の食事も入ってね」
そうなってというのです。
「それでだよ」
「油揚げも入って」
「そしてね」
そうなってというのです。
「今ではだよ」
「皆大好物なのね」
「稲荷寿司もでね」
「そしてきつねうどんも」
「全部ね」
まさにというのです。
「食べる様になったんだ」
「そういうことね」
「そうだよ、ただね」
ここで教授はこうも言いました。
「きつねうどんときつねそばはね」
「同じでしょ」
「油揚げが入っているよ、ただどうも日本ではね」
外の世界のこの国ではというのです。
「地域によって呼び方が違うんだ」
「そうなの」
「うん、天かすが入っていたらたぬきうどん、たぬきそばとなる地域もあれば」
「そうでない場合もあるの」
「僕達が先日行った大阪がそうだね」
この街がというのです。
「きつねうどんはあってもたぬきうどんはなかったね」
「そうだったね」
王子も言われて頷きました。
「あちらは」
「そうだったね」
「天かすが入っていたらはいからうどん、はいからそばだったよ」
「そして揚げはきつねうどん、たぬきそばだったね」
「そうだったよ」
「そうした違いがあるんだ」
「成程ね」
「そしてこの国では」
見るとです。
「きつねうどんときつねそばで」
「たぬきうどんとたぬきそばだね」
「揚げと天かすでね」
その二つの具でというのです。
「それぞれね」
「名前が付けられているね」
「そうだね」
こうしたお話をしながらです。
皆は狐の国を巡っていきました、そしてです。
そうしてでした、一行は狐の王様の宮殿に入りました、するとです。
そこには狸の国と貉の国のそれぞれの国の王様達もいました、彼等はです。
王子達を見ますと笑顔で迎えてくれました。三人共丁度宮殿の中庭のテーブルで何かお話をしているところでした。
「おお、これはこれは」
「よく来てくれたね」
「今丁度化けることについての話をしていたんだ」
「そうだったんだ」
王子は三人のお話を聞いて言いました。
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