おぢばにおかえり
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第六十九話 先輩達と会ってもその三十
「だからね」
「そんなにいい人なんですね」
「高校一年の時どれだけ助けてもらったか」
そのことを思うとです。
「そのことを思うとね」
「僕が言うとですね」
「りっぷくするから」
どうしてもです。
「覚えておいてね」
「ううん、先輩にとっては本当にいい人なんですね」
「そうよ、あんないい人はね」
「そうはいないんですね」
「しかも奇麗でしょ」
「まあ顔は奇麗ですね」
凄く引っ掛かる言い方でした。
「髪の毛茶色でふわふわしていて」
「そうでしょ」
「色白で目がきらきらしていて」
「それで実はスタイルもね」
一緒にいるとわかります、ただどうしてわかるのかは新一君が男の子なのであえて言いませんでした。
「いいのよ、頭だってね」
「いいんですか」
「本当に素晴らしい人だから」
それで、です。
「私も尊敬しているの」
「そうした人のうちのお一人ですね」
「そうなの、だから二度と悪いことを言わないでね」
このことについて釘を刺しました。
「いいわね」
「じゃあ本当にですね」
「そう、言うとりっぷくするから」
このことを強く言いました。
「いいわね」
「わかりました、しかしそんなにいい人なんですね」
「そうよ、本当にじっくりお話してね」
「そうしたらわかりますか」
「新一君嫌いな人はそっぽ向くけれど」
お話しないどころかです。
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