イベリス
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第五十話 たい焼きとカラオケその六
「それって凄いでしょ」
「かなりね」
「そうなってるから」
だからだというのだ。
「もうそれでね」
「いいわよね」
「そう思うわ。しかもこの美味しさだし」
「チョコも美味しいわね」
咲は今度はそれを食べつつ述べた。
「いい焼き加減で中の具もね」
「ちゃんとしてるでしょ」
「味も量もね」
「それならね」
「もう問題ないわね」
「ええ、それであのルックスもね」
店長のそれもというのだ。
「凄くね」
「評判になっていて」
「人気につながってるらしいわ」
「そうなのね」
「ええ、それで私が紹介してよかった?」
「有り難う」
これが咲の返事だった、笑顔でのそれだった。
「また行きましょう」
「それじゃあね」
「ええ、これからはたい焼きもね」
「食べていくのね」
「前以上にね、たい焼きも侮れないわね」
「だから歌にもなるのよ」
愛は笑ってこう返した。
「それでよ」
「ああ、あの歌ね」
「そうよ、美味しくないとね」
そうでないと、というのだ。
「注目されないしね」
「歌にもならないわね」
「そうよ、それでたい焼き食べて紅茶飲んだら」
愛はそれからのことも話した。
「後はね」
「カラオケね」
「それ行きましょう」
咲に笑顔で話した。
「次はね」
「わかったわ」
咲は頷いて応えた、そうしてだった。
二人でたい焼きと紅茶を楽しんでからカラオケボックスに入った。そこで賑やかに二人で詠うがその中で。
愛は演歌を入れたが咲はそのことに気付いて言った。
「演歌も歌うの?」
「ちょっとね」
愛は笑って答えた。
「チャレンジでね」
「そうなの」
「演歌も味があるから」
だからだというのだ。
「この前聴いてそう思ったからね」
「それでなのね」
「歌うの」
「そうなのね」
「それでだけれど」
愛はさらに話した。
「ちょっと色々聴いてね」
「演歌のこと?」
「そう、はじめてに近いから」
歌うのはというのだ。
「だから色々下手だと思うけれど」
「わかったわ。けれどお姉ちゃん歌上手いじゃない」
「安心してるの」
「元々の歌が上手なら」
それならというのだ。
「もうね」
「大丈夫なの」
「私はそう思うわ」
「だといいけれどね」
「そうよ、けれど聴かせてもらうわね」
「お願いね」
「そこは確かにするから」
こう約束してだった。
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