イベリス
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第四十九話 自分しかない人間その十
「自分で調べて考えることもね」
「大事なの」
「そう、あとね」
「あと?」
「これは確かに言えるわ、自分しかない人の言うことはね」
そうした輩の言葉はというのだ。
「絶対にね」
「聞いたら駄目ね」
「近寄っても関わってもね」
「駄目ね」
「叔父さんと叔母さんの言う通りよ」
まさにというのだ。
「そして私もね」
「そうした人とはなのね」
「関わらないことよ、人は利用するだけで感謝もしなくて」
そうしてというのだ。
「どんな卑怯なこと、醜いこともね」
「するから」
「だから関わったら駄目よ」
「それは確かなことなの」
「そうよ」
こう咲に言うのだった。
「そうした人が近くにいたらよく見てね」
「そうしたらわかるのね」
「もう堂々と自分さえよければいいとか言ったら」
そうした輩はというのだ。
「表面上付き合いがあってもね」
「その実はなの」
「無茶苦茶嫌われるわよ、それで人間としてもね」
「最底辺ね」
「正真正銘の屑と言われる様になることもね」
そうした場合もというのだ。
「あるわよ、それで果てはチンピラにすらなれなくて」
「チンピラにもなの」
「なれなくてね」
それでというのだ。
「最後は誰からも相手にされなくなって」
「最低な結末迎えそうね」
「だって自分しかないのよ」
「感謝も何もしないのね」
「それで他人も助けないなら」
「誰も相手にしなくなるわね」
「自然と行いも酷くなって」
そうもなってというのだ。
「尚更よ」
「誰からもなのね」
「見捨てられてね」
「どうしようもなくなるのね」
「そうなるわ」
こう咲に話した。
「実際にね」
「そうしたものね」
「そうよ」
強い声で述べた。
「だから自分だけにはね」
「私もなのね」
「ならないことよ」
「そうなったら駄目ってことね」
「ええ、しかしね」
「しかし?」
「叔父さんも叔母さんも相当なお話を知っていて」
咲から聞いた二人の言っていることを振り返って言うのだった。
「それでとんでもない人知ってるわね」
「そうね、お父さんもお母さんも」
「世の中上には上がいて」
そしてというのだ。
「下には下もね」
「いるのね」
「もうその下になるとね」
「どうにもならないわね」
「信じられない程馬鹿で腐っていて」
そうした輩でというのだ。
「もう付ける薬もない」
「そんな人達ね」
「もうそうなったらね」
それこそというのだ。
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