ハッピークローバー
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第二十話 楽しく食べられるその六
「あの人なんかもね」
「痛風になったかも知れないの」
「基本菜食主義者でお酒も飲まなかったっていうけれど」
「甘いもの好きだと」
「ケーキなんか差し入れでよく食べてたらしいから」
多忙な中での楽しみだったという。
「それじゃあね」
「痛風の危険もなのね」
「あったかもね」
こう話した。
「あの人も」
「そうだったの」
「痛風は痛いそうだから」
「滅茶苦茶痛いらしいわね」
「お話聞くとね」
「何か足の親指の付け根が急に痛くなって」
これが痛風の症状のはじまりである。
「小指の場合もあるけれど」
「そう、そこかららしいわね」
「もうそよ風が当たってもよね」
「泣きたくなる位に痛いらしいわね」
「そこまでなのね」
「だからなったら大変よ」
それこそというのだ。
「動けなくなる位らしいから」
「それは厄介ね」
「フォアグラとか食べ過ぎてもそうなるらしいわね」
「ああ、それは私達には関係ないわね」
フォアグラと聞いてだ、富美子は鶏肉の皮の部分を食べつつ即答で応えた。もうそれはないという顔であった。
「絶対にね」
「フォアグラみたいに高い食べものはね」
「レバーなら兎も角ね」
「それでキャビアとかもよ」
「痛風に悪いの」
「そう言うわね」
「キャビアもないわよ」
こちらの食べものもというのだ。
「私達には」
「普通の庶民にはね」
「そんなに食べるものじゃないでしょ」
「というか食べられないわね」
美奈代は笑って応えた。
「高くて」
「とてもね」
「まあ要するに生きものの内臓とか卵はね」
「食べ過ぎたら痛風になるのね」
「そうなるからね」
だからだというのだ。
「そうしたものはね」
「痛風になりたくなかったら」
「あまり食べないことよ」
「そういうことね」
「まあかな恵ちゃんはそういうのには気をつけてるでしょ」
その彼女はというのだ。
「お酒は飲んでも」
「かな恵料理上手で詳しいしね」
「あの娘部活料理部でしょ」
「中学の時からね」
「だったらよ、料理部では栄養学も言われるから」
「それでなのね」
「痛風のことも知ってる筈だから」
美奈代はかな恵のそうしたことを考えつつ話した。
「だからね」
「それでなのね」
「痛風のことはかな恵ちゃんに聞けばいいわ」
「そうなのね」
「ええ、まあドイツ風の食事は痛風については危ないことはね」
「わかっておくことね」
「特にビールね」
これが問題だというのだ。
「本当に」
「だからあの帝国の人達も痛風多いかも知れないのね」
「ほぼ確実に国民病になってるわよ」
「あの金髪の常勝の天才もやがては」
「ええ、外見はそのままでもね」
金髪の儒子のままでもというのだ。
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