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オズのホボ王子

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第三幕その十

「踊りもしたよ」
「そうですか」
「見ていて面白かったよ」
 王子はジョージににこりと笑って答えました。
「それでタイ料理もなんだ」
「はじめて召し上がられた時に」
「うん、やっぱりね」
 その時もというのです。
「大喜びでね」
「歌を作られて歌って」
「踊りもね」
「そうですか」
「それを見て」
 そしてというのです。
「僕も喜んだよ」
「王子もですね」
「あの人は美味しいものを食べるとね」
「はじめての時は」
「歌って踊ってなんだ」
「喜ばれるんですか」
「そうなんだ、あの人らしいね」
 王子は笑ってこうも言いました。
「歌って踊るなんて」
「そうですね、そのことは」
「それとお菓子もね」
「そのことは前からですね」
「そう、僕があの人とはじめて会った時も」
 その時もというのです。
「お菓子が好きだったよ」
「そうでしたか」
「ジュースも好きだしね」
 お菓子だけでなくです。
「甘い紅茶、レモンティーも」
「お好きですか」
「そうなんだよ」
「そうですか」
「ええ、そしてね」
「そして?」
「あの人は最近お刺身も好きで」
 それでというのです。
「よく食べているよ」
「お刺身もですか」
「そう、蛸のお刺身も好きだよ」
「蛸もですか」
「蛸もずっとオズの国では食べなかったけれど」
 それでもというのです。
「今はね」
「お好きですか」
「そうなんだ、僕も食べるけれど」
 その蛸をというのです。
「昔は蛸もね」
「オズの国では食べていなくて」
「食べられると知った時は」
 まさにその時はというのです。
「どれだけ驚いたか」
「そうでしたか」
「その時はね」
 こう言うのでした。
「本当にね」
「そして食べるとですね」
「美味しいからね、お刺身もいいし」
 それにというのです。
「酢蛸にしてもいいし特にたこ焼きがね」
「最高に美味しいですよね」
「ああして食べるなんてね」 
 蛸をというのです。
「素晴らしいよ、あと烏賊もね」
「美味しいですね」
「墨まで美味しいから」
 烏賊はというのです。
「これまたいいね」
「スパゲティにしてもいいですね」
「僕はあのスパゲティも好きでね」
「よく召し上がられますか」
「そうなんだ、蛸も烏賊も好きだよ」
 今ではというのです。
「本当にオズの国もね」
「食文が変わりましたね」
「豊かになったよ」
「ええ、タイ料理に中華料理に和食に」
 王女も言います。 
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