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孫の様な女性と

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第一章

                孫の様な女性と
 その話を聞いてだ、由良祈里は微妙な顔になって夫の祐一郎に言った。
「幾ら何でもね」
「ないよな」
「ええ」
 太い眉に癖のある短めの黒髪を持つはっきりした目が大きく小さな唇を持つ顔で言った、顔はホームベース型で背は一五三程だ。
「お義母さんが亡くなっていても」
「流石にな」
「二十歳の人と再婚なんて」
「俺達より年下でな」
 祐一郎は腕を組んで語った、背は一七六程で痩せている、卵型の顔で黒髪はショートにしている。優しい目で色白で鼻は高く口は大きめだ。
「それもかなり」
「お父さんは七十三歳で」
「それでだよ」
「二十歳の人と再婚するのね」
「それでその人もう妊娠してるんだよ」
「ううん、もっとないわね」
「母さんも亡くなってるし」
 祐一郎は難しい顔のまま話した。
「そうした風にもなったから」
「お義父さんその人と結婚するのね」
「そう言ってるよ、反対すべきか?」
 祐一郎は祈里に尋ねた。
「どうだろうな」
「姉さんの一番上のね」
「進太が二十二だからな」
「その進太君より年下ね」
「俺達の娘の裕美より年上でもな」
「それでもお孫さんと同じ位の歳だから」
「難しいな、けれど相手の人も本気なんだよ」 
 結婚するつもりだというのだ。
「どうもな」
「それでお義父さんも言っておられるし」
「もうな」
「結婚するのね」
「ああ、俺も姉さんも弟の勇次郎もどうかってなってるが」
 それでもというのだ。
「母さんも亡くなってるし」
「それで二人共って言うなら」
「女の人の実家も困ってるらしいがな」 
 それでもというのだ。
「反対してもな」
「仕方ないわね」
「ああ、しかし七十三で子供が出来ても」
 祐一郎はあらためて言った。
「それでもな」
「子育て出来るのかしら」
「親父定年して家にずっといるけれどな」
「七十代で子育てなんてね」
「自分も介護されないか?」
「どうなるのかしらね」  
 夫婦でこんな話をした、だが。 
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