ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十九話 三つ葉のクローバーその十一
「どうもあまり幸せじゃなかったみたい」
「そうだったのね」
「私が聞く限りね」
「そうだったの」
まさにというのだ。
「どうもね」
「ううん、何かね」
一華はここまで聞いて述べた。
「悲しいお話ね」
「そうよね」
「そうした人もおられたのね」
「もう五十年位前にお亡くなりになってるけれどね」
「河豚を免許なしで調理出来て」
「そうした一生だったのよ」
「戦争でそうなった人って結構多いかもね」
理虹は悲しい顔で述べた。
「元予科練の人でも色々あったっていうしね」
「何か戦争終わってね」
留奈も言ってきた。
「日本負けてね」
「そう、それで後で色々言われて」
「特攻隊で生き残った人もいて」
「自分だけ生き残ったとかで」
「それでね」
「色々思うところがあって」
それでというのだ。
「お酒に溺れたりその人みたいにね」
「ヒロポンに手を出して」
「そうした人いたみたいね」
「戦争終わってからね」
「そう思うと戦争ないのって一番いいわね」
富美子は普段の明るさはなく俯いて言った。
「本当に」
「そうよね」
かな恵もその通りだと頷いた。
「平和でね」
「戦争ないのが一番よね」
「何よりもね」
「しかしね、弟さんが刺されてなんて」
富美子はこのことについても言った。
「あの時何かとごたごたしてたけれど」
「その時にね」
「喧嘩を止めに入って」
「それで逆にね、まだ若かったらしいけれど」
「そのことトラウマになるわよね」
「そうよね」
「だから余計にだったのね」
富美子はその人のことを思いつつ言った。
「結婚も断ったのね」
「そうかも知れないわね」
「今の日本何かとあるけれど」
「少なくとも戦争はしてないでしょ」
「今もね」
実際にというのだ。
「危険がないとは言えないけれど」
「それでもね」
「今はしていないから」
「そのこともね」
「いいわよね」
「戦争になったら」
それならというのだ。
「そうなる人もね」
「いるわね」
「そうだからね」
「戦争にはならない」
「平和が一番ね」
「それがないだけでもね」
戦争、それがというのだ。
「いいわよ」
「北朝鮮みたいな国にも戦争がある国にも産まれたら大変ね」
一華はここまで聞いてこう言った。
ページ上へ戻る